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2004年5月16日 化学の実験
「メスってどんな産卵木がお気に入りなの?」

そんな疑問から始まった今回の企画。前回に引き続き第二回目です。
いつもなら実験結果が出てからの公表になるんです、だって実験結果が全然面白くなかったらホームページで公表することもないでしょ。でも、今回はリアルタイムでの実験です。

大々的に実験装置を組んだのにボツになって写真と共にお蔵入りになった企画は数知れず。果たして今回はうまくいくでしょうか?。リアルタイムだけにドキドキです。

メスのクワガタは「味の素」に興味を示すのは事実のようです。
となると、味の素のどの成分に興味を示しているのか知りたくなるのが私の悪い癖。
しかし、味の素の成分を抽出してひとつずつ比べてみるなんて不可能・・・。
と、思っていたら、それを可能にしてくれる人が現れました!。

その名は「SPF」さん!   ♪ヒュ〜ヒュ〜、ドンドンドン、パフパフパフ♪

そういえば、お名前の由来を聞いていなかったっけ。何の略なんだろう?「スーパーファミコン」?。掲示板のほうによく遊びに来てくださる方。お仕事が化学関係のようでそちらのツテからご用意いただきました。ありがとうございます。

さて入手した薬品名は「味の素」に含まれている旨味成分。いわゆるアミノ酸ってヤツです。
昆布に多く含まれるグルタミン酸、鰹節に多く含まれるイノシン酸、そしてシイタケに多く含まれるグアニル酸。

SPFさんに写真をご提供頂きました。ホントの名前はややこしいですね(^_^;)

ネット上ではグルタミン酸にスポットが当っていますがそれは昆布の成分。
クワガタがホダ木をアミノ酸によって識別するならシイタケに多く含まれるグアニル酸に反応するはず・・・・。仮説はあくまで仮説です。それを確かめるべく実験してみましょう。

まずはSPFさんからもらった薬品で水溶液を作らなくちゃね。SPFさんから送られてきた薬品はプラスチック製のカッコイイ試験管に入っていました。

私もアクアリウムで水質を調べるために使う時のシリンダやスポイトを出して来て記念撮影。

おお〜、なんか中学校時代、化学の実験をやる時みたいにドキドキするぞ!。試験管立てとかあったらもっと雰囲気出るのに(笑)。

水溶液の作り方はSPFさんにご指示をいただいております。

味の素 4%
グアニル酸ナトリウム 0.05%
イノシン酸ナトリウム 0.05%
グルタミン酸ナトリウム 3.9%
塩化ナトリウム 2%

各パーセンテージは味の素に含まれている割合を、そのまま各旨味成分に振り分けたものです。おお〜、2%の食塩水だなんて算数の問題みたい、懐かしいね〜。

「3%の食塩水と5%の食塩水を混ぜると8%になる」と勘違いする生徒が多かったんですよ、塾の講師をやっているとき。

「太平洋の塩水は3%だ。そこにお前が5%の食塩水コップ一杯をこぼしたとたん、世界中の海水が8%になったら驚くだろ」
う〜ん、どこをどう驚くのか分からない生徒もいたのが驚いた(笑)。

ならこれでどうだ

「3%の食塩水を二つのコップに分けるだろ。二つに分けた3%食塩水を元のコップに戻したら6%になるのか?」
しかし、生徒に言わせると「二つに分けると1.5%になって、元に戻すと3%に戻る」とのこと。子供の発想は柔軟だ(笑)。

「50%の食塩水と50%の食塩水を混ぜると100%の塩が出来るか?」
しかし、いくら算数といえども飽和水溶液の原則を無視するわけにはいかない。

「368.99mg。あともうちょっとだな」
トントン。
なんて地道な作業を繰り返しながら正確な水溶液を製作しました。

しかし、製作したあと気が付いた。
「水分は毎日蒸発するから、濃度はドンドン濃くなるよなぁ〜」

確かに。と、なると蒸発した分だけ水を追加しなくてはいけませんね。毎日重量を測って・・・なんてとても無理ですから、同じ量の水を追加すれば大丈夫かな。

あとは前回立ち上げた実験水槽に入れるだけですね。
実験水槽は最初のうちは新築の家のような良い香りがしていたんですけど、だんだんとハムスターの匂いになってきました。あの匂いはハムスターの匂いではなく、古くなった「ハムスターの床材の匂い」なのかもしれませんね。

使い古しのエサ台を使うとエサの匂いが残っている可能性があるので新品のエサ台にしました。

さらにガラス沿いに歩いているうちに偶然見つけちゃった、なんて事にならないように中央に配置しました。エサは奥の隅ね。

エサ台にはマジックで何の水溶液か分かるようにしておきました。しかし「味の素」を「味の本」と書いてしまった。こいつはちょっと寄りの撮影は恥ずかしいぞ(笑)。
何も加えていない水だけのティッシュを入れて全部で6種類。一列に並べるとなんか違和感ありますね。

さてさて、どんな実験結果が出ますでしょうか。次回のお楽しみ (^_-)-☆
私は実験が不発に終わらないことを祈ってます。


実はSPFさんからはもう一種類薬品をもらっています。
これはまったく別の種類の薬品で、菌床に添加するための添加剤です。
栄養を与えるのではなく、消化吸収を促進するための新タイプの薬品だったのですが・・・。

1セット目の産卵に成功し、続けざまに2セット目に突入させ、そこで割り出した幼虫に対して使用するつもりでした。しかし、なんと割り出しは不発に終わってしまいました。
こんなこともあろうかと、先に菌糸ビンを作ることはせず、割り出せたら一時プリンカップに避難させ、すぐに菌糸ビンを作る作戦を立てておりましたので添加剤に実害はなかったのですが・・・・。
新タイプの添加剤は残念ながら来期に持越しです。う〜ん、早くためしてみたいなぁ〜。

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