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2004年3月7日 オオクワガタ飼育 酸素編
あと1週間で今年度初の割り出しです。
今回セットしたケースは3セット。贅沢産卵が2ケース、乾式菌床が1ケース。
このうち贅沢産卵の1ケースは予定を変更して3/28に割り出しを行うことにしたので割り出すケースは2ケースとなりました。

2ケースとは言うものの、乾式菌床のほうはほぼ絶望的、贅沢産卵のほうもいつもと違ってかなり望み薄です。
「菌糸ビンをいくつ用意しておこうか・・・」
難しいですね。1頭も割り出せなかったら菌糸ビンが無駄になりますし、たくさん割り出せたら菌糸ビンに入れる幼虫と入れない幼虫が出て、入れなかった幼虫はマットの中で肩身の狭い思いをする事に。

前回はプリンカップを大量に作ったんです。でも、プリンカップに入れても幼虫は成長が早いからすぐにハチミツ600に移すことになるでしょ。そうすると菌糸ビン交換のときのストレスや死亡事故の危険が付きまとう。だから、最初からハチミツ600に入れたほうが良いと考えて今回はハチミツ600を用意することにしたんです。

しかし、プリンカップと違ってハチミツ600だと容量が大きいから10本ぐらい多めに作って・・・・なんて無駄なことは出来ない。でも今回は3/28にも割り出しがあるからすこしは多めに作れます。

とりあえず、菌床3個分24本の菌糸ビンを作りました。1ケースから割り出せる幼虫の予想頭数です。今回0頭でも3/28に使いきれると思いますから無駄が少なくてすむと思います。
今回の割り出し頭数が24頭を超えてしまったら、割り出しは途中で一時中断。来週に延期し、菌糸ビンを増産!。
↑そんなことにはならないよなぁ〜、きっと(^_^;)

さて、もう1つ用意したものがあります。
掲示板に良く遊びに来てくださる「クワ馬鹿さん」からのご提案です。

「飼育時の酸素濃度を高くしたら幼虫が大きく育つのではないか」

う〜ん、なんか面白そう。魚の養殖などでは水の中の酸素濃度を上げることで大型の個体を肥育できるそうです。人間も高濃度の酸素下ではリラックスできるって言うし、それにあの狭い菌糸ビンの中では常に酸素が不足しているような気のします。

もし、十分すぎる酸素が行き届けば酵素の活性が上がり、セルロースなどの分解しにくい栄養素を素早く分解してくれるかもしれません。そうなれば、同じ量のエサを食べても栄養の吸収率が上がり、でっかい個体が羽化するかも・・・・・。

酸素を十分与えることで大型個体を育成できれば、菌糸ビンは空気が通りやすいように柔らか目に詰めたり、PPボトルの裏に換気用の穴をあけたりなんて事が普通に行われるかも。

「お〜、これは面白い、やってみよう\(^o^)/」

ってなわけで、クワ馬鹿さんからアイデア使用の了承を得ております。早速準備に着手。

まずは、高濃度の酸素が必要。うちには工場がありますので溶接用の酸素が手に入りますが、一体どれくらいの酸素が必要なのかわからないのでランニングコストが分からない。
「う〜ん、酸素発生器みたいなのがあったらなぁ〜」
なんて調べていたらあるんですね、ビックリ(笑)。

日立の高濃度酸素発生器
あまりに簡単に見つかったので「そんなバカなぁ〜」って疑ってしまうほど(笑)。もちろん、人間が吸引してリラックスするためのもので、クワガタ用ではありません。(笑)。

特殊な皮膜を使って二酸化炭素を分離し、酸素濃度を30%ぐらいまで高めてくれるそうです。

「30%と言う酸素濃度って・・・・」
う〜ん、とっても微妙。大気に含まれる酸素濃度は21%です。となると9ポイントアップって事です。
「たった9ポイント〜」って声が聞こえてきそうですが、人間は酸素濃度が19.5%になると頭痛などの症状が出て18%(3ポイントダウン)で死にいたる危険があるそうです。そう考えると9ポイントのアップはかなりの効果が期待できそう。

さて、問題はこの酸素をいかにして菌糸ビンに供給するかです。やっぱりある程度の大きさの密閉された容器に菌糸ビンを入れてその中に高濃度酸素を供給するのが一番かな。

って事で考えたのが左の写真。中に入っているのはハチミツ600。余裕で12本入ります。

右の写真を見てもらうと分かるんですけど、ケースのふたはゴムパッキン(青色)が付いていてかなり密閉性がよくなっています。

サイドにゴムチューブがぎりぎり通るくらいの穴を開けてゴムチューブを通しました。
ためしにチューブをくわえて息を送り込むとかなりの抵抗を感じる。
「排気口を作らなくてはいけないかなぁ〜」
今度はフタを取って息を吹き込む。抵抗は同じくらい。同じなら排気口はいらないね。

では、動かしてみましょう。
説明書を読みながらチューブをつなげる。すると変なものを発見。

円筒形のプラスチックの容器。その形状を見たとき目を疑った。「も、も、もしかして、これは・・・・バブルカウンタ?」

アクアリウムでは水草の光合成のために二酸化炭素の強制添加を行うんです。そのときどれくらいの量を添加したか見るために、水の入った容器の中に二酸化炭素を通し、一度泡にして添加量を見るんです。それがバブルカウンタ

私はこのバブルカウンタを利用して高濃度酸素に湿気を与えようと思っていたんです。そしらたこう濃度酸素発生器にバブルカウンタが付属されている・・・・

「う〜ん、ビックリ!」

左の写真がそれ。高濃度酸素発生器の裏面にあって、排出された高濃度酸素を円筒形の密閉容器の一番下に導き、容器の上から排出するようになっています。容器に水を張れば高濃度酸素は一度水の中を通る事に。

「なんで、こんなものが・・・?」
あわてて説明書を手に取り読んでみる。すると・・・・なんと、この容器の中の水に香り成分のアロマオイルを一滴溶かして、香りを楽しむと同時にリラックス効果を上げるためにあるみたい。

二酸化炭素の量を測るためのバブルカウンタ。それをヒントに湿度を加えるための改造をしようと思っていた容器が、香り付けのために付属されていた。
「偶然とはいえ恐ろしい!」

さて、円筒形の容器に水を入れ、チューブの配線を完了して電源オン。

「ウイ〜〜〜〜〜ン」
モーターが起動する。
「ゴボゴボゴボッ」
高濃度酸素が排出され円筒形の容器に入れた水が泡立つ。
「ガガガガガッ」
振動で本体と容器が音を出す。

こ、こいつは・・・・・かなりうるさいぞ (^_^;)
動いた喜びより、その騒音にびびってしまった(笑)。

騒音はとりあえず置いておいて、酸素濃度がどれほど上がるか調べてみましょう。これだけ大きなケースです、直径6ミリ足らずのチューブで果たして酸素は十分供給されるだろうか?。かなり不安。

ケースの中に入れた酸素濃度計をじっと見つめる。すると酸素濃度計の表示は見る見る上昇して行くではありませんか!。

「お〜〜、やった〜〜」
その上昇の早さに思わず歓喜がこぼれる。
酸素濃度はどんどん上昇して、5分程度で28.1%を表示。

買っては見たものの酸素濃度がほとんど上がらなかったらどうしようかと、とっても不安でしたが、十分すぎるほどの性能で万々歳です!。

酸素濃度が十分得られると分かったら新たに発生した問題を解決しないとね。
あの騒音どうしよう・・・・。

私にとってもクワガタにとってもかなりうるさい。クワガタのためを思えば本体を温室の外に置くべきなんだけど、私のことを考えると本体は温室の中におきたい。
「う〜〜〜ん」
悩んだ末に・・・・・・温室の外に置くことにしました。これもかわいいクワガタのため!。
でも、さすがに夜中に動かしたら寝られない。昼間も定期的に稼動してもらいたいし・・・・。

って、考えたたらすぐにうってつけのタイマーが頭の中に浮かびました。「確かこの辺にしまっていたよなぁ・・・・」
って押入れから引っ張り出してきたのがこのタイマー。

メーカーはジェックス。もちろんアクアリウムメーカーです。
このタイマーは時刻と時間の同時設定が可能なんです。
簡単に言うと「8時から22時まで、1時間おきに5分間通電」なんて設定が出来るわけ。

高濃度酸素発生器は電源オンで連続運転にしておけば、このタイマーが昼間だけ定期的に電源をオンオフしてくれる。まさに、今回の使用目的にぴったり。

あとは実際に幼虫を飼育してみて酸素の消費量を見ながら通電の間隔や時間を調整するだけ。「う〜〜ん、順調、順調」

でも、リラックスするための機械でしょ。なのにあんなに騒音出したらリラックスできないんじゃないの?。もしかして不良品?。そんなことはないと思うんだけど、とりあえずもう少し静かにしないと売れないと思うよ。アクアリウムのエアーポンプだって1デシベルでも静かにしようと各社しのぎを削って、今ではかなり静かになりました。がんばってね、日立さん。

さて、酸素関連でもう1つ。
せっかく高濃度酸素のケース内で飼育しているのに菌糸ビンの中までしっかり酸素が回らなくては意味がないですよね。
もちろん、密閉されたケース内に菌糸ビンを置くのでコバエの侵入はなく、菌糸ビン自体にフタをしなくて良いので十分酸素は供給されると思います。

でも、やっぱ実際に酸素が行き届いているか調べてみたいでしょ。

と、言うわけでこんなのを作ってしまいました。
ガラスの容器だと穴があけられないので、850ccのPPの容器の底に穴を開けて、空気のサンプルを取れるようにしてみました。

通常は隙間を埋めるための粘り気のある粘土みたいなやつでふさいでおきます。とりあえず3本。

こいつを使っていろいろな条件下での酸素濃度を調べてみるつもりです。

「通常飼育下ではきちんと換気されているのか?」
「菌糸ビンは使う前にひっくり返したほうが良いのか?」

どんな結果が出るにしてもちょっと楽しみですね!。

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