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2003年05月03日 菌糸瓶の添加剤

お話は、さかのぼる事、半年・・・・。

実は今回使った菌糸瓶には秘密があったんです。

実はいろんな添加剤を使用していたんです。



って、まぁそんなに秘密にすることでもなかったんですけどね。
当時は、オオクワガタをはじめたばっかで、いろんなホームページを見て回っていたんだけど添加剤については「ナイショ」ってのが多くて、あんまりおおっぴらに書いてあるところがなかった。

だから、
「添加剤ってのはあまり公開しないのが暗黙のルールなのかなぁ」
って考えて、書くのをためらっていたんです。
ビール酵母なんてポピュラーなものを混ぜてます、ってちょっとお茶をにごす程度で。

でも、添加剤を公開しないなんてルールはないみたいだから今回添加した添加剤をここで一気に公開しちゃいます。

まだ成虫になっていないから効果のほどはわからないけど、とりあえず途中経過ってことで。
でも、菌糸が再生しなかったやつは結果発表ね(笑)。

添加量はみんな均一。重量パーセントで10%。ハチミツ600なら菌床240gに対して添加剤24g。めちゃくちゃ多くてびっくりしたでしょ。でも、菌糸が再生すれば大丈夫。
逆に有毒なのに添加量が少ないせいで菌糸が再生してしまったものを幼虫に与えてしまう愚を犯さない様に、思い切って高濃度にしてみました。


菌床の量
添加剤の量
ハチミツ600
240グラム
24グラム
ハチミツ1000
400グラム
40グラム


では、まずうまく行った添加剤の発表です。

麦芽
ポピュラーに使われている添加剤ですがこんなにいっぱい入れた人はいるかな?。月夜のきのこ園で購入しました。
菌糸も再生し、幼虫たちも蛹室(ようしつ)を作るまでになりました。
一度、まちがって粉末ではない粒状のものを購入してしまい、仕方なくミキサーにかけましたが、うまく粉末になりませんでした。
そういえばジャパネットタカタで、お茶の粉末も作れるミキサーを売ってたけどあれならうまく行くかな?。
プロテイン
やっぱ体を大きくするならこれでしょ。ウイダーウエイトアップビック
普通のプロテインみたいに、たんぱく質オンリーというわけでなく、体を大きくしたい格闘家のような人向けの商品です。高たんぱくでバランスよくといったところでしょうか。人が飲みやすいように香料が加えられているのが気になりましたが、幼虫たちは嫌がることなく育ってくれてます。
粉ミルク
粉ミルクだけ飲んで、どんどんでっかくなる赤ちゃんを見れば、誰でも試してみたくなるでしょう(笑)。完全バランス飲料、ただし人間の(笑)。
粉末状なので混ぜやすいと思ったんですけど、菌床の水分に触れた瞬間ダマになって混ざりにくいのが欠点。
米ぬか
近くのスーパーで買ってきました。唐辛子入りとかにんにく入りなんてものがありましたが、純粋に米ぬかのみのものを選びました。カルシウム強化って書いてあったけどその辺は愛嬌ってもんで。
釣りえさ
マルキューチヌパワースペシャルというチヌ釣り用のエサ。
「何でいきなり釣りエサなんだ〜」って声が聞こえてきそうですが、その配合を見れば納得。
ウニ粉末、酵母、糖蜜、麦、パン粉、アミ、ぬか、さなぎ粉、貝殻、大豆、ミネラル、乳酸菌。たんぱく質12.2%以上。
ね〜、添加してみたくなったでしょ〜(笑)。


では、次に失敗した添加剤。まぁ、量が多かったってこともあるから少量でやったらうまく行くかもしれないけどね。ひとつまみ、気休め程度に入れたら、とんでもない大型が出たりするかも(笑)。

植物
プロテイン
牛乳アレルギーの人のために作られた大豆が原料のプロテイン、ウイダ純植物性プロテイン
オオクワガタは肉食じゃないから植物性のほうが消化しやすいだろうと思って買ってきましたが、菌糸は再生しませんでした。再生できなかった菌糸瓶のふたを開けると鼻をさすような臭が。
「こいつは納豆だ!」
納豆菌はワラだけでなく、その辺の枯れ草にも普通に付いている菌なので、オガコの中にもいるのでしょう。それが大豆というエサを得て、オオヒラタケの菌糸よりはやく広がってしまったんだと思われます。
瓶の内壁の水分が多かったところは、しっかり糸を引いてました(笑)。
キナコ
こいつも大豆が原料ですが納豆になることはありませんでした。
しかし、どういうわけか菌糸は再生しませんでした。
さなぎ粉
そりゃそうだ、やつらはさなぎになるために栄養を蓄えているわけだから、さなぎを食べさせてあげればまさに完全食。
さなぎを採ってきて、すり鉢ですり潰して・・・・って訳じゃありません。つりエサ用に売っているんです、マルキューさなぎ粉
「純正さなぎ100%」って書いてあるけど、何のさなぎかは不明。
「純正」っていわれても、どの辺がどう純性なのかも不明(笑)。
釣りエサですからね、魚も食いつくだけで食べるわけではありませんので、保存料的なものが使われているのかもしれません。保存料=殺菌剤ですから、オオヒラタケの菌が死んでしまったのかもしれません。
ビール酵母
アサヒ 粉末ビール酵母。近くのスーパーで買ってきました。
生きている酵母と菌糸がけんかして酵母が勝ってしまったというところでしょうか。月夜野きのこ園で売っているビール酵母は不活性化されているので、菌糸が再生するんでしょうね。


ってな訳で、今回は9種類も試していたんです。菌糸が再生したのは5種類だけだけど。
さらに、添加剤としての効果についてはまだ不明です。結果は成虫になったときのお楽しみ。

でもね、あんまりいろんな種類を試すと大変ですよ。一種類なら菌糸瓶を在庫としておいておけるけど、5種類ともなると大変。一種類に付き3本の在庫を持ってもそれだけで15本ですからね。私の場合在庫は持たずに、次週交換予定の菌糸瓶を洗い出し、交換予定と同じ添加剤の菌糸瓶を毎週の様に作っていました(笑)。

そんな苦労も結構楽しいんですよね、趣味なら。
最近思いついた添加剤があと2、3種類あるので今年も添加剤の実験をする予定です。
「えっ、それは何かって?」
う〜ん、ナイショって言いたいとこだけど、ちょとだけね(笑)。

昆虫の変態には積算温度が関係してるのは周知の事実。
だけど、うちで飼っているオオクワガタのオスたちは、蛹室(ようしつ)を作っているにもかかわらず、前蛹(ぜんよう)になる気配さえ見せない。今までと同じ白い幼虫のまま。

白い幼虫のまま、まったく動かずにじっとしてる。まるで時を待つように・・・・。
そう、彼らは積算温度が加算されて前蛹(ぜんよう)となる時期をじっと待っているんだ、きっと。

なぜそうなったか。積算温度以外に彼らの行動をコントロールするもうひとつのバロメーターがあるんじゃないかな。

「成虫になるのに必要な栄養を蓄えたらそのあとはじっと時を待つ」
そういった行動を取らせるバロメーター。名づけて「備蓄栄養」(笑)。「積算温度」に対抗して名づけてみました(爆)。

成虫になるために必要な栄養を蓄えるのが幼虫の役目。
それが終わったらじっとしている。ゴソゴソ動き回って天敵に襲われるのはアホらしいからね。

私が与えた菌糸瓶のエサは自然界のエサよりずっと栄養価が高かった。しかも22度前後という非常に恵まれた温度で管理されていたから、積算温度メーターが「前蛹」をさすずっと前に、備蓄栄養メーターが「満杯」をさしてしまったのでしょう。

備蓄栄養が「満杯」になればさっさと蛹室(ようしつ)を作って、積算温度が「前蛹」になるまでじっと待つ。必要以上の栄養を取るような無駄なことをする生き物は自然界には存在しない。多分、人間とそれに依存して生きている一部の生き物ぐらいなもん。

だから、栄養価の高いものを与えるんでは何の解決にもならないと思った。
まったく別のアプローチが必要なんじゃないかなって。
それで思いついた添加剤が・・・・・・!。

まぁ、結果は来年にでも発表できると思いますので、楽しみしていてください。

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