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2005年8月21日 コラーゲンって
暑いですね。今週はこの暑さを利用して、産卵セットに使ったマットや産卵木のカスを乾燥させました。100円ショップで買ってきた大きなたらいに入れて縁側で虫干し。
さすがにこの天候だと、一週間でカラカラに干からびておりました。
ダニ類も完全駆除されて、来年の出番が来るまで密閉保存です。

割り出した幼虫も、プリンカップの中でスクスクと育ってくれているようでした。
しかし、幼虫をプリンカップに入れてから一週間ほどで異変が現れました。
なんと、プリンカップの菌糸が劣化し始めたんです。

温度差による実験のため、24℃に保たれたワインセラーに入れたグループと、温度制御せず自然のままの温度で育てているグループがあるのですが、そのうち温度制御をしない方、すなわち温度が高い方の一部のプリンカップで菌糸の劣化が始まりました。

「こいつはもしかして、添加剤のせいか?」
今までも、まったく問題なくきれいに菌糸が回ったにもかかわらず、数日のうちに菌糸が劣化し始めた添加剤がいくつかありました。ヒラタケの菌糸が他の菌に負けるのではなく、添加剤の腐敗により、ヒラタケ菌が死んでしまうというパターンです。
このパターンの場合、菌床からアンモニアが発生し、幼虫は確実に死んでしまいます。

まだ、なんとなく劣化している感じで、それほど黄色くなっていません。
とりあえず、劣化が感じられるプリンカップを調べてみました。
すると、黄色く変色しつつあるプリンカップの添加剤はどれもこれもコラーゲン。

「コラーゲンはだめか・・・・」
今回期待の添加剤。こいつが使えないとなるとちょっと悲しい。
コラーゲンを添加したプリンカップのふたをとって中のにおいを嗅いでみましたが、まだアンモニア臭は感じられません。

「もしかしたら黄色く変色するだけで、腐敗まではしないかも」
一縷の望みに期待をかけつつも、もしもの場合に備えて幼虫を移住させるための予備のプリンカップを作っておきました。

2,3日は劣化が進んでいないようでしたが、4日目にはアンモニア臭が感じられるようになってしまいました。

「こりゃダメだ」
もはや一刻の猶予もありません、移住開始です。ワインセラーに入れた方はまだ劣化が分かる程ではありませんでしたが、それでも他のプリンカップに比べて多少黄色味がかってきていましたので、こちらの幼虫も移住させました。

発見が早かったのが功を奏し、1頭の犠牲も出さずにすみました。不幸中の幸いです。

こちらがコラーゲン添加のプリンカップ。
幼虫が暴れたときのために予備として取っておいたものです。

とりあえず、その後の経過を観察するために捨てずにとっておきました。

さすがにここまで劣化すると、アンモニア臭が鼻を刺します。

捨てようと、息を止めながら菌床をプリンカップから取り出すとニュルッとした感触。
表面は腐ってネバネバ。
そのネバネバが手について気持ち悪い。しかも臭いのなんのって。
経過など観察せずにさっさと捨てておけばよかった。
こういう時、自分の好奇心が疎ましくなる(^_^.)

幼虫たちのその後の経過は良好です。

暴れることもなく、みんな元気に育ってくれています。

割り出した時にすでに大きく成長していた幼虫は、もはやプリンカップでは窮屈でしょう。
そんな幼虫たちをピックアップしてハチミツ600に移す作業を今日行いました。

「20頭位はいるかな」
そう思って先週ハチミツ600を仕込んだのですが、プリンカップを一つ一つ取り上げて、底にいる幼虫を確認してみると思ったより成長していませんでした。

ハチミツ600に移した幼虫は5頭だけ。

当然といえば当然ですが、ワインセラーで温度を低くした幼虫たちの成長は遅く、今回ハチミツ600に移住させる個体は1頭もおりませんでした。

やはり高温だと成長が早いですね。ただ、この「速さ」がのちの「伸び」にどういう影響を与えるのか楽しみです。

プリンカップから幼虫を取り出すのは簡単、プッチンプリンの要領でプリンカップをさかさまにしてプリンカップの底を押すだけ。

何の苦労もなく幼虫を取り出せます。
ビンの場合もこんな感じで出てきてくれると楽なんですけどね。

どうです?なかなか立派に育ってくれているじゃありませんか。って親バカですね(笑)。

菌床は「食べた」というより「散らかした」といった感じ、荒めのオガコが目立ちます。

手付かずの菌床を見ていると、もう少しプリンカップで引っ張っても良かったような気もします。

さて、実験の柱の1つコラーゲンが消えてしまって意気消沈ですが、もうひとつの実験も考えておりました。


左の2つの写真は何が違うでしょう。

両方とも、今回移住させた幼虫の写真です。
えっ、幼虫の大きさが違うって?。

残念、幼虫の大きさはそれほど変わりません。
と、言う事は・・・・そうです。ビンの大きさが違うんです。

上のビンはハチミツ600。
そして下のビンがガラスポット1.3、直径115mmの大きなビンです。

「早い段階で大きなビンに入れると大きく育つ」
今回はこのうわさの検証もしてみたいと思います。

本当は初令の幼虫での投入も考えたのですが、なんと言ってもでかいビンです、ちょっとやそっとじゃ食痕が現れないでしょう。そうなると中の幼虫の生命が心配。気になって気になって夜も寝られなくなってしまいます。

終いには「ちょっとだけ掘ってみようか」なんて悪魔のささやきまで聞こえてきそうですので、ある程度体力のついた幼虫で実験することにしました。

早い段階で大きなビンに入れる個体は5頭ほどを予定しておりました。
ちょっと個体数が少ないですが、大きなビンはコストがかかりますので我慢です。
そうでなくても今回は100頭を超える大所帯で私の財布を圧迫しそうですから。
でも、コラーゲンの失敗で添加剤費が浮きましたので、実験個体を10頭ほどに変更予定です。5頭だとデータ的に心配でしたが、10頭いれば十分でしょう。

投入するビンの大きさと、その後の成長の関係を自分自身の目で確認することができれば、長い間工事中となっておりました「飼育方法」を進展させることができます。

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