HOME > オオクワガタ > オオクワガタ飼育 > 05年度オオクワガタ飼育記録

前へ 次へ 
2005年06月19日 オオクワガタ羽化

2005年6月18日 17:48 
それは突然始まりました。
尾っぽの方の皮がだぶつき始めたと思ったら、突然頭部を覆っていた薄皮がパカッと割れました。

長く険しい羽化の始まりです。
頭部が割れたのと連動するように、背中も割れ始め、脱げた皮が肩を抜け、羽の先端の方へとずり落ちて行きます。

17:53
頭部の割れ目が大きくなりました。
背中の裂け目も大きくなり、胸部はすでに皮から抜け出ました。そして前羽を覆っている皮も先端の部分を残すのみ。

17:58
前羽の皮がもうすぐ抜けそうです。

クワガタは前羽を広げて皮を脱ぐ作戦のようです。

18:03
ついに前羽の皮が抜け落ちました。

連続写真はこちら
残すは後羽のみ。
あと少しだがんばれ!。

腹部の伸縮を連続して行いながら、皮を脱いでいきます。言葉では表現しにくいですが、ミミズが体の伸縮を使いながら前に進んでいくのと同じ原理です。

まるでスタジアムのウェーブの様に、縮んだ部分が胸部との境から尾の方へ滑らかに移動して行くのがわかります。
連続写真はこちら
お腹の横辺りに白いヒモのようなものが見えるでしょうか。

蛹化の時はこのヒモが縮小して脱皮のアシストをしているように見えました。

18:07
ここでちょっと一休み?。

いえいえ、後羽を抜く作業を後回しにして、前羽をたたむ作業を始めました。

疲労と苦痛が色濃く見える瞳。
しかし、その瞳の奥には強い決意が伺われます。

ここにも腹部に沿って白いヒモが見えます。

18:11
前羽がそろそろくっつきそうです。
前羽をそろえて会心のポーズ。

尻の方に溜まった抜け殻といい、体に沿ってくっついている3本の白いヒモといい、まさに羽化って感じですね。
尻の方の皮はこんな感じ。

後羽が抜けるまであともう少し。

18:14
そして、後羽の皮も抜け落ちました。

皮が抜け落ちた後も、白いヒモが体にまとわり付いています。

このヒモを引っ張る事によって、体にへばり付いた皮を引き剥がしていた様にも見えました。

たまに見かけますよね、ヒモを引っ張るとピリピリと紙が破け、開封できる封筒のようなやつ。あの原理では無いでしょうか。

18:17
とうとう脱皮が終わりました。

長い間お疲れ様でした。と、言いたいところですが、成虫になるにはまだまだやらなくてはならない事が山積です。

さあ、次はシワシワの後羽を伸ばすんだ!。
ちょっと哀愁を感じちゃったりして(笑)。

18:36
上の写真にポインタを合わせてみて。クリックしちゃダメだよ。
このクワガタは何を思ったのか、人工蛹室の中を後ずさりし始めました。

「違う、違う!後羽を伸ばすんだから前へ進んでくれ!」

私の声など通じる訳も無く、このクワガタは後ろ足のみならず、腹部までエビの様に駆使して後退をしていきます。

(左の写真にポインタを合わせてみて。クリックしちゃダメだよ)

18:40
上の写真にポインタを合わせてみて。クリックしちゃダメだよ。
そしてとうとう人工蛹室の最後尾まで来てしまいました。

「不完全羽化か・・・・」

このクワガタは後羽を伸ばす事をあきらめて、頭部を伸ばそうとしているに違いない。
でなければ後ろに下がる意味が無い。

半ばあきらめかけた時、ふとクワガタの後羽を見ると、なんと少しではありますがシワが伸びているではありませんか。

この腹部をエビの様に曲げる行動は後ずさりする為のものではなく、後羽を伸ばす為の行為だったんですね。

(左の写真にポインタを合わせてみて。クリックしちゃダメだよ)

上の写真にポインタを合わせてみて。クリックしちゃダメだよ。
エビの様に腹部を曲げる時、大事な生殖器を傷付けないように、この時点ではしっかり折りたたんでいます。
しかも逆反りさせる程の念の入れよう。

彼らは子孫を残すために羽化するんですから、これくらいの配慮は当然なんでしょうね。

(左の写真にポインタを合わせてみて。クリックしちゃダメだよ)

18:48
上の写真にポインタを合わせてみて。クリックしちゃダメだよ。
そして、ある程度後羽が伸びてきたら、今度は左右の後羽をすり合わせるように、前後に動かし始めました。

(左の写真にポインタを合わせてみて。クリックしちゃダメだよ)

19:09
すると同でしょう、あんなにクチャクチャに重なり合っていた後羽が、みるみる内に伸びていくではありませんか。

19:09
そして、後羽は完全に伸びきりました。
蛹室の後方ギリギリのところです。

21:04
あとは頭部を伸ばすのみ。

そう思って眺めていたのですが、先頭の空いたスペースを利用して頭を伸ばそうとせず、逆に蛹室の先頭まで移動して、後羽を乾かすスペースを十分確保たのち、じっとしています。

そう、今、頭を伸ばすと蛹室の長さが足りず、濡れた後羽がシワになってしまう可能性があるので、後羽が乾くのをじっと待っているのでしょう。

21:29
「今日はこれで終わりかな」とあきらめかけたその時、新しい動きがありました。

今までずっとうつ伏せだった姿勢を、横向きに変更。

そして頭部を少し伸ばしたかと思ったら、今度は逆向きに横にり、また頭部を少し伸ばします。

21:30
体を左右に倒しながら少しずつ頭部を伸ばすこと20分。とうとう頭部が90度より大きく開きました。

ここまで開けば横にならずとも頭部を伸ばすことが出来ます。

22:45
そしてそれから1時間以上が経って、やっとクワガタらしい姿になりました。まだ、後羽は仕舞えていませんけどね。

今まではこの姿が羽化直後だと思っていたのですが、実際は羽化が始まってから少なくとも5時間以上が経過していたんですね。


2005年6月19日 7:40
そして翌朝。

後羽もしっかり仕舞われて、無事羽化終了です。ご苦労様でした。
ちなみにこれが今回の撮影風景。

デスクの照明に、スポットライトが2台。
それでも足らずに懐中電灯片手にシャッターを切ることもしばしば。

まさにアイドルの写真集並みの照明設備でした(笑)。

羽化というのは脱皮程度のものだと思っていたのですが、その行為の複雑さ、緻密さに非常に驚かされました。彼らはどのような進化のステップを経て、こんなにも複雑な変態システムを完成させて行ったのでしょうか。

成虫も幼虫も初めは大して変わらないものだったんだと思います。しかし成虫は樹上での生活に合わせて少しずつ進化して行く。そして幼虫は朽木の中での生活に合わせて少しずつ進化して行く。そうしているうちに今では全く別の生き物の様になってしまったんだと思います。

成虫と幼虫の姿が別方向に進化するたびに、蛹化や羽化に新たなステップが組み込まれ、今ではこんなにも複雑な変態システムになってしまったのかもしれませんね。

こんなに小さな虫にさえも、こんなにも神秘的な一面が隠されている。
生命の偉大さを改めて痛感いたしました。

 前へ   このページの先頭へ   次へ

 HOME > オオクワガタ > オオクワガタ飼育 > オオクワガタ飼育記録
メスの取り出し 蛹化そして羽化 通常飼育の結果発表
2005 始動 蛹を喰らう 産卵セット
オオクワガタの羽化 セット後1ヵ月 ガーデンシュレッダー
菌糸ビン飼育 オオクワガタの卵 コラーゲンって
高濃度酸素の結果 オオクワガタの飼育 高温飼育と低温飼育
温室飼育へ 温度管理 恐れていたことが