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2006年10月8日 成長の違い
8月15日に割り出してから、あと少しで2ヶ月が経過しようとしています。
幼虫たちは順調に成長しているのですが、ここに来て難しい問題に直面してしまいました。

それは、幼虫の個体差による成長の違い。

全ての菌糸ビンを一斉に交換するのが最初の予定でした。
一斉に交換すれば、その時点での飼育方法よる成長の違いを簡単に把握する事が出来ます。逆にチビチビ交換していたのでは、交換時期のズレにより、途中経過の把握が難しくなります。

しかし、一斉交換するには、個体差による成長の違いが、あまりにも大きくなりすぎてしまいました。

もうすでに菌床を半分以上平らげてしまっている幼虫もいれば、底の一角を食べただけで、まだ10円玉の大きさにもなっていない幼虫もいます。

「なんでこんなに差が出てしまったんだろう?」

例年ですと、これほどの差は出ていないのですが・・・・。

と、考えた時、3ヶ月前のあの事が思い出されました。

「あっ、そうか。人工カワラ材か」

今年は人工カワラ材の実験をしたんですよね。そして産卵の進捗状況が芳しくなかったので、産卵木を追加して・・・・・そう、今年の産卵期間は2ヶ月間。最初に産んだ卵と最後に産んだ卵では、単純に比較して2ケ月もの差があるんです。例年の倍。

「無理を承知で、一斉に交換するか?」
しかし、まだ食痕すら現れていない幼虫もいます。いくらなんでも、ただ体重を量るだけのために菌糸ビンを交換するのはばかげています。それに、まだ成長すら始めていない幼虫のデータを取った所で何の意味もないでしょう。

小さな幼虫でも、成長期に入ると爆発的な成長が期待できます。
それまでビンの交換を控えるか?。

「いや、それは出来ないよな」

菌床をもう半分以上食べ上げてしまっている幼虫もいます。ここで菌糸ビンを交換しなければ、成長の早い幼虫にエサを与えない事になり、結果的に幼虫の成長を阻害してしまう事になります。エサがなかったばかりに、本来望める成長が出来なかったとなれば、その成長データは何の意味もなくなってしまいます。

今交換してもダメ、交換を先延ばしにしてもダメ。
結局生きたデータを取るには一斉交換を捨てるしかなさそうです。

「う〜ん」

難しい判断と思われましたが、実際には1つしか方法は残されていないようです。
交換時期が来たものから五月雨式に交換していく・・・・。
交換時期がずれてしまうため、パッと見て単純比較できるデータではなくなってしまいますが、時系列を追ってきちんと整理すれば、欲しかった情報を一番良い状態で得られるはずです。

一斉交換はあきらめましょう。

そうと決まればさっそく今シーズン最初の菌糸ビン交換です。
とりあえず、ビン交換のルールは下の表のようにしました。

菌糸ビン交換ルール
飼育方法
幼虫の大きさ
移行容器
菌糸ビン飼育
13グラム未満 
ハチミツ600
13グラム以上
ハチミツ1000
24グラム以上
ガラスポット1300 
菌床ブロック飼育
仮想空間
13グラム未満 
1ブロック6〜8頭
13グラム以上
1ブロック4〜6頭
24グラム以上
1ブロック2〜4頭
実空間
全てのサイズ
基本的に1ブロック1頭

前に述べたとおり、菌糸ビン飼育と仮想空間飼育は、1頭あたりの菌床の量が等しくなるように調整しています。それと、データを見易くするために、なるべくまとめて菌糸ビン交換をするよう心掛けます。

まあ、難しい話はおいといて、さっそく菌糸ビン交換を始めましょう。
今回ビンを交換するのは12頭です。
まず最初に取り出したのは、先週交換しても良かったような菌糸ビンから。

おお〜〜、なかなか順調に育ってくれていますねぇ〜。

というより、今回から新たに投入した新兵器
「FUJIFILM FinePix F30」のおかげで、蛍光灯だけの暗い室内でも、気軽に明るい写真が撮れるようになりちょっと感動(笑)。

「FinePix F30」の液晶画面に写った写真が少し白飛びしすぎているようでしたが、黒い背景のこのホームページにはこれくらいの明るさの方が良いようです。

そして2つ目の菌糸ビン。

こちらは露出補正して少し暗めにしました。

デジカメの液晶やパソコンの大画面で確認した時は、こちらの方が良い色合いだと思ったのですが、縮小して背景が黒いこのホームページにアップすると少し暗いですね。

って、ここは「デジカメ探検記」ではなく「オオクワガタ飼育記」でしたね(^_^;)

18.4g・・・ハチミツ600一本でここまで成長してくれました。
ハチミツ600一本で18gを超えるという事は、大きくても15g程度のメスの幼虫なら、ハチミツ600一本で十分大きな成虫になるって事になっちゃいますよね・・・・どうなんでしょう。

オスは16gを中心に14〜18gが7頭。
メスは1頭だけ例外(8.5g)がいましたが、そろいもそろって10.2〜10.8gが4頭。

年度間でのデータの比較も行えるよう、実験に使うオオクワガタの親は、オスは70ミリ、メスは42ミリを基準にしておりますので、遺伝的に考えると標準的な大きさかな。

今回交換したのは成長が早い12頭の幼虫だけですので、菌糸ビンの水分量や、温室の棚の上下の検証を行うにはまだまだデータ不足です。これらの飼育条件に関しましては、もう少しデータが得られてから、少しずつ検証していきたいと思います。

今回はオスよりメスに注目かな。
オスは個体差がかなり出てしまいますが、メスは比較的個体差が出ません。
今回の実験では、割り出し後ハチミツ600に投入したメスの幼虫は、10.5g前後で頭打ちになってしまったようです。

これに対して、仮想空間の多頭飼いや、実空間飼育のメスはどうなるのか楽しみです。
実空間飼育の方は、1頭あたりの菌床量が多いので、まだまだ交換するには早すぎますが、仮想空間飼育につきましては来週あたり交換する予定です。

菌床ブロック飼育の多頭飼いという状況下で、メスの幼虫の本能は、成長に対してどの様な判断を下すメカニズムになっているのか。交換が待ち遠しいです。

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