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2006年9月16日 多湿菌糸ビン
日中30℃を越える残暑が続いたと思ったら、いきなり秋めいてきました。
「あまり高温にならないところ・・・」と言う事で、オオクワガタの幼虫たちは北側の部屋の押入れの中に積み上げていたのですが、そこの温度計を覗いてみると最低気温が21.5℃を記録していました。

「20℃を挟むように気温が変化すると、キノコが生えてきちゃうぞ」
菌床ブロック飼育もしております。菌床ブロックからビニールを破いてキノコがニョキっと生えて来てしまっては目も当てられません。急いで南側にある温室へ幼虫たちを移動です。

移動させながら、幼虫の様子を観察すると、
かなり良い感じで成長してくれているようです。

平均するとだいたい500円玉くらい。

でも、中の様子が見える幼虫だけの平均ですので、食痕が現れていないものを含めると、
もっとずっと小さくなるかな。

中にはこんなデカイやつもおりました。

ビンはハチミツ600。顔が見えるところにいたのですが、カメラをスタンバイしているうちに、
恥ずかしがって隠れてしまいました(^_^;)

見た感じ、7グラムくらいはあったでしょうか。
メスなら十分蛹化出来る大きさです。

割り出しから1ヶ月という期間を考えると、ちょっと飛ばしすぎのような気もしますが、逆に言えばまだ1ヶ月ですので、幼虫の大きさで一喜一憂するのは時期尚早ですね。

菌床ブロック飼育の方はと言いますと、まったく変化無し(^_^;)

5個あるブロックのうち、たった1つだけ、小指の先ほどの食痕がありました。

育ち具合どころか、生死の確認すら取れない状態でかなり不安です。

移動後、毎週の日課(週課?)になりつつある「多湿菌糸ビン」への給水を行いました。
現在菌床の上に敷いてあるティッシュは2枚。それを指で触って湿り具合を確認してから、
ホットドックにマスタードをかける時に使う容器で、水を補給しています。

「ちゅ〜」

毎週、小さじ半分から1杯程度の給水です。
全ての多湿菌糸ビンに給水が終わったあと、今季初となるサーモスタットへの通電を行いました。

「ぶふぉ〜ん」

500Wのファンヒーターから勢い良く熱風が出始めました。

「さて、問題は、サーモスタットを何度に設定するかだ」

毎年、一番悩むところです。しかし、今年はちょっと違っています。
毎年悩み、そして毎年失敗してきた温度設定。その甲斐あって最近はベストと思われる温度の範囲がだいぶ絞られてきました。

なんと言っても、去年の低温飼育の失敗が貴重なデータを提供してくれました。
「3令前期までの成長期には、23℃〜24℃の温度帯は低温すぎる」
失敗は成功の元とは良く言ったもんです。

もちろん、これだけの失敗では成功の元にはちょっと足りません。
下限が決まったら、そう上限ですね。
もちろんそれも失敗してますよ、って自慢できる事じゃないけど(^_^;)

30℃の高温で飼育して、2ヶ月で蛹化させてしまい、結局小さな成虫になってしまった事もありました。28℃の高温で飼い続け、3ヶ月で蛹化させてしまったと言う事もありました。

「となると、25℃〜27℃の間か・・・」

割り出し後2ヶ月という最も成長速度が早い時期に適した温度は、この範囲の中に隠されているようです。

「でも、割り出し後2ヶ月だけで考えれば、28℃というのも、ありといえばありだよなぁ〜」

28℃の場合、蛹化するのは3ヵ月後ですから、最初の2ヶ月だけを取って考えれば、かなり成長が早い温度だとも言えます。う〜ん、なんか、ややこしくなってきました(^_^;)

じゃあ、こんな感じにすればいいんじゃない。

じゃ〜ん、温度差式温室ぅ〜。

って、ただ温室内の内気扇を回さずに、温室内の上下の温度差を利用するだけなんですけどね。

1つの血統から得られた幼虫を、普通の菌糸ビンと多湿菌糸ビンに分け、さらにそれを棚の上部と下部に分けてみました。

中間には菌床ブロック飼育の幼虫たち。
もう少し沢山の幼虫が取れれば、菌床ブロック飼育の幼虫たちも上下に分けることが出来たんですが・・・無念。

写真のちょうど真ん中あたり、菌床ブロックの前にある黒い棒がサーモスタットのセンサーです。温度設定は26℃。

長期的にデーターを取ってみないと何とも言えませんが、たぶん上部と下部では1℃〜2℃ほどの温度差が出ると思われます。

上部の平均気温が27℃で、下部の平均気温が25℃だったら、データを取るには理想の状況なんですが、果たしてどうなりますか。

そして今回はもう1つ作業が残されていました。それは第2回目の割り出し。
割り出しというよりは、救出作戦とでも言いましょうか。

今回は卵での割り出しが多かったため、見落としがあったのではないかと、とても気になっていました。幼虫は白くて目立ちますが、卵はマットと同じ色だし、小さくて、見落としやすいですから。

ですから、割り出した後のマットや産卵木のカスは、この1ヶ月間大切に保管してきました。
1ヶ月たっていますので、見落としてしまった卵も幼虫へと孵化し、菌糸ビンに移せるくらいまで成長していることでしょう。

ウチの産卵セットに使う飼育ケースはデカイので、マットの量もハンパじゃありません。
何度も何度も見直していますので、見落とした卵なんて無いかもしれません。
とは言うものの、最善を尽くさなかった時の後味の悪さに比べれば、たいした苦労じゃない事も確かです。

少しずつ丁寧に選別して行くという地道な作業が続きます。
すると・・・・

いました、いました。
割り出しの時の様にザクザクとは行きません。
ポツポツなんていうテンポでもありません。

「もう、いないかなぁ〜」って、あきらめかけた頃にポツリ、そしてまたポツリ。

そんな事を繰り返し、とうとう6頭もの幼虫の救出に成功しました。

「あんだけ見直したのに・・・やっぱ卵って、見つけるのが難しいんだな」

新たに6頭が仲間に加わり、温室での新生活が始まりました。

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