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2006年10月14日 多頭飼い
割り出しからちょうど2ヶ月。菌床ブロック飼育の多頭飼育は今週末、菌床ブロックの交換を行います・・・・なんて余裕をぶっこいていたら、今週の半ばに大変な事が起こってしまいました。

菌床ブロック飼育の多頭飼いは2ブロック。
朝、いつものように観察をしていると、そのうちの1ブロックの側面に、直径10cmほどの茶色い円を発見。

「これって食痕?」

ビニール袋が白濁しているため、ただ掘り返されただけのオガコなのか、食べ終わった後の糞なのか判断するのはちょっと難しいですが、今まで側面に表れる事のなかった幼虫が、菌床の白い側壁を食い破って出て来た事は間違いありません。

昨日の夜、寝る前の観察ではこんな食痕はありませんでした。これだけの食痕が一夜にして出来たと考えると、菌床ブロックの中で幼虫が暴れている可能性があります。

暴れている可能性・・・・
一番の原因はエサ不足。菌床をほとんど食べ尽くしてしまっている事が考えられます。

「早く交換しなくちゃ」

エサがないとなれば、猶予はありません。週末を待たずして菌床ブロックを交換する事にしました。幼虫を取り出して体重をはかり、別の菌床ブロックに移すだけですので、それほど時間はかからないでしょう。

さっそく、冷蔵庫に保管してあった菌床を取り出し・・・・

「冷蔵庫・・・・?」

そう、菌床ブロックはキノコが生えてこないようにみんな冷蔵庫の中。
10度以下にキンキンに冷えています。

「こんな菌床に移したんじゃ、潜っている途中で凍え死んじゃうぞ」

冷静に考えれば死にはしませんが、発育に重大な影響を与える事は確かです。

「菌床ブロックを温室に移して温まるまで待つしかないか・・・」

10度以下の菌床に大事な幼虫を潜らせるわけには行きません。ここは菌床が温まるまでじっと我慢するしかなさそうです。芯まで温まるには24時間くらいは必要でしょう。

「頼む、菌床が温まるまで、暴れないでいてくれ」

そして翌日の朝・・・・

不安で胸が押しつぶされそうになりながら温室の扉を開けると、「願いもむなしく」といった言葉がよく似合う光景が目に飛び込んできました。

菌床ブロックの中には幼虫は8頭もいます。

1頭が暴れだせば他の幼虫に当たり、その幼虫も暴れだす。

暴れだした幼虫はまた別の幼虫に当たり・・・

まるで核分裂の連鎖反応。一夜にして菌床ブロックはメルトダウンしてしまいました。

「ハァ〜」ため息しか出ません。

しかし、たった一日です。被害は最小限に抑えられました。
幼虫たちの成長した姿も楽しみですしね。
気を取り直し、さっそく幼虫たちの様子を見てみましょう。

たらいの中に菌床ブロックをあけると、菌床ブロックは原形をとどめる事無く崩れてしまいました。

オガコに占める糞の割合はかなり高い様で、幼虫たちは無駄なくエサを食べている様子が伺えます。

「もう少し早く交換するべきだったな」

遅きに逸したようですが、菌床ブロック飼育での複数頭飼いは初めての事ですので、致し方なし。

さっそく、幼虫の様子を調べてみる事に。

「1頭、2頭、3頭・・・」

出てきたのは全部で8頭。投入した幼虫全てが生存していました。
オスが3頭。メスが5頭。

「さて、体重の方は・・・」
期待で胸が膨らみます。

15.4g

他の2頭の幼虫もみんなそろって15g前後。

なんかビミョ〜(^_^;)

「前回、菌糸ビンの方は16グラム台がメインだったよなぁ」

しかし、前回の菌糸ビン交換は、菌糸ビン飼育の中でも特に成長が早かった幼虫たちです。
いわば早熟中の早熟。それと比較して1gしか違わないという事とは、菌糸ビン飼育の平均と比較すれば、菌床ブロック飼育の方が優位って事か?。

「う〜ん」

なんかビミョ〜な結果に悩んでしまいますが、まだまだ途中経過ですから「こんな感じでした」って程度に流しておきましょう(^^ゞ

さて、もう1つの多頭飼いの菌床ブロックも開封してみましょう。

こちらのほうは、側面に小さな食痕が2,3ヶ所あるだけですので、交換時期としては最高かもしれません。

さあ、どうなっているか、とってもワクワクします。

パコッ。

半分に割った断面を見てみたかったのですが、菌床ブロックはかなりもろくなっています。
原形を保っているのは表面の白い部分だけ、中はスカスカの空洞になっていて、ちょっと力を入れただけで菌床ブロックが崩れてしまいます。

ボロッ。

角の菌床が崩れてしまいました。
そしてその中からは、大きく成長した幼虫が。

「おお〜、ずいぶん立派になってぇ〜」

菌糸ビンと違って中が見えなかっただけに、再会の感動はひとしおです。

他の幼虫たちも、思い思いに居食い部屋を作って、おとなしく成長してくれていたようでした。
で、問題になってくるのは体重ですよね。計ってみるとこれがまた判を押したように15g前後。
メスも7.8g〜9gと、かなりまとまっていました。

同じサイズを選んで入れたわけではないんですよ。他の飼育方法と比べて幼虫の大きさに偏りが出ないよう、サイズごとに割り振りしましたので、この菌床ブロックに投入した幼虫のサイズは大中小と逆に不揃い。

この体重で頭打ちだったのでしょうか、それとも危険の少ない集団羽化に向けて個々が連携するような、高度な能力を持っているのでしょうか。

謎は深まります。

まあ、難しいことはおいといて、幼虫たちを新しい菌床ブロックに移しましょう。

菌床ブロックに穴をあけ、そこに幼虫たちを置いていきます。

「また、しばらく会えないけど元気でいてね」

24時間たちましたので、菌床は芯まで十分温まっている事でしょう。

幼虫たちはみんな元気にもぐって行きました。

もう成長期は峠を越していますので、次回の交換は2ヵ月後でいいかな。

そしてそれから2日たった本日、菌糸ビン飼育の幼虫たちを8頭ほどビン交換いたしました。
前回めぼしいオスは全てビン交換いたしましたので、今回はメス6頭に対しオスは2頭。

オスは14.4gと13.2g。
菌床ブロック飼育といい勝負です。

しかしメスはそろいもそろって10グラム越え。
最高でも9gしか出なかった菌床ブロック飼育との差が出てしまいました。

まだまだ序盤とはいえ、菌床ブロックの多頭飼育にとってこの展開はちょっと厳しいかな。

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