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2002年09月07日 バイオブラウンゼリーを求めて
初めてのオオクワガタの飼育に興奮して来る日も来る日も飼育ケースを眺めていました。
しかし、一向にオオクワガタがマットの中から現れる様子が無い。
部屋を暗くしてじっと息を潜めていたって、コソリとも音をたてない。
どうしてしまったのでしょうか?。

私の気配を敏感に察知してマットの中にもぐりこんでいれば良いのですが、マットの上に整然と並べられた木の皮を見るとそうでもないらしい。
しかも、もっと悪い事にエサをまったく食べていない。

1日目、2日目は新しい環境になれていないんだろうと思っていましたが、3日目になると死んでいないかと不安になってくる。
一番手っ取り早いのが掘り起こしてみること。
でも、いじくり回してストレスを与えることが一番いけないことだろうし、なにより少しずつ慣れてきた環境を変えてしまう事になりかねない。

ここはじっと我慢。熱帯魚の飼育で分かっている、こういう場合はじっと我慢していれば時が解決してくれる。
掘り起こしたい衝動に駆られながらもひたすら我慢していました。

我慢しながら飼育ケースを覗いている時に
「もしかしたらエサがいけないのかもしれない」
ふと、そう思った。どこかのホームページにオオクワガタにも味の好みがあるって書いてあった。

思い立ったら即行動。近くのペットショップでいろんな種類のゼリーが1個10円で売られていたの思い出し、早速そのペットショップへ。

ここのペットショップは商店街のペットショップで普段利用している専門店とはちょっと違った印象。子連れの奥様方が多くて私みたいなオヤジはちょっと場違いな感じ。
でも、いろんな種類のゼリーを1個ずつ買える所はここしか知らないから我慢して入る。最近我慢が多くてストレスを感じる(笑)。

ゼリーはダンボール箱にざっくり入っている。
たくさんの種類があるから、同じ物を買わないように1種類ずつダンボールの中から取り出す。最初は手に持っていたけど、種類が多くて手に持てなくなってきた。仕方ないのでしゃがみこんで床に並べていく。1種類1個ずつ。

狭い通路でかなり邪魔だったでしょう。子供たちも私の後を通る時、ちょっと窮屈そうでした。
中には何をしているのか覗きこんでいく子供の姿も。
「見せもんじゃない、あっち行けシッ、シッ!」とも言えず、かといって説明も出来ず(笑)。

しゃがみこんで1個1個丁寧にゼリーを床に並べていくオヤジの背中は子供たちに何を語っていたのでしょう(笑)。今考えると、店員さんも不気味がって近寄ってこなかったように感じる(爆)。
これがオオクワガタの命を助ける為に、恥じも外聞も気にせず集めたエサ。
同じラベルのものでも、バナナ味やイチゴ味と言った違いがあって、それぞれの味にあった着色がしてありました。

イチゴ味はピンク色の方がしっくり来るけど、どう考えたって着色料を使用しているわけでしょ。子供だましの為に余計なものを食べさせられるクワガタもかわいそうな感じ。

でも、とりあえず食べてくれないと餓死してしまう!。「どれでもいいから食べてくれ〜」って感じで、1つの飼育ケースに2種類ずつ入れてみました。

次の日・・・・まったく食べた様子がありません。
また次の日・・・・変化無し。途方にくれてしまいました。

何か良い解決策は無いかとインターネットを探していると「食いつきが違う!」の文字が。
駄菓子屋さんでイカの酢漬けが入っている容器に茶色いゼリーが入った写真が載っていた。
その名も「バイオブラウンゼリー」。
「こいつは食いつきが違うのか!」
しかし、違っていたのは食いつきだけではなかった。50個入って2700円。値段も違っている。オオクワガタの食いつきはいいかもしれないが、消費者の食いつきはどうなんでしょう?(笑)。

まったく食べてくれないオオクワガタもことを考えると喉から手が出るほど欲しい!。
出費は痛いが、とりあえず餓死の危機を脱する為には致し方が無い。
早速注文する。送料と振り込み料を加算すると、とんでもない金額になる・・・仕方なし。
しかし、発送が1週間以内となっている。
「エサが到着する頃には死んでいるよ!」
あきらめるしかないか・・・・。

「そういえば」って思い出した。このエサどこかで見かけたような・・・・。
たまにしか行かないアクアリウムショップだけどクワガタも取り扱っていて、ショーケースの中央にこの写真と同じエサが置いてあったような気がする。

車を飛ばしてそのアクアリウムショップへ。
ここはどちらかと言うと海水魚がメインなので余り利用していない。
店に入るとすぐに店員がよってきて「なにかお探しですか?」から始り、商品の説明をマンツーマンでしてくれる。

商品をじっくり見て自分の判断で買うタイプの私はちょっと苦手の経営スタイル。
しかもこの店員ってのが、アルフィーの高見沢さんみたいな蒼白の優男。
小声でささやきかけるように話し掛けて来る。
苦手だけど、間違ったことは言っていないのでそれなりに信用しています。

さて、お店に入ってクワガタのコーナーに直行すると、間髪入れず優男が私の後ろに立ち
「今日はクワガタですか?」
と、聞いてきた。
「今日はクワガタ」と言う事はいつもはアクアリウムと言うことを知っているのだろうか?。
それほど頻繁に来ていないのに私のことを覚えているのだろうか?。
疑問を抱きながらも
「オオクワガタのエサを買おうと思って」
と切り返す。

「それならこれがいいですよ」勧められたのはお子様向けの絵がカワイイ袋に入ったゼリー。
「そんなものなら売るほど持ってる」と毒づきたいのを我慢して
「こっちのやつは?」
とショーケースの中に入っていたバイオブラウンゼリーを指差す。
「これは高いからやめた方がいいですよ。それならこっちの方がいいです」
と、違うゼリーを指差した。

今度はちょっと大人の雰囲気のパッケージング(笑)。「高タンパク」をうたい文句にしたゼリーで「ドルクスゼリー」と書いてあった。「ドルクス?なんじゃいそりゃ」早速、優男に質問すると丁寧に教えてくれた。専門的で良く分からないけど、分かったことは「オオクワガタとその仲間たち」の総称らしいと言うこと。

値段もちょっと高めでそれなりに効果がありそうだけど、今日の獲物は「バイオブラウンゼリー」。
くじけずにもう1度「バイオブラウンゼリー」を指差して「こいつは良く食べるって聞いたんですけど」って聞いてみた。
「これはかなり古いから・・・・・」
なるほど、他のを薦める理由はそこにあったか。古いものをさっさと客に押しつけないところがこの人の人柄だね。

優男は駄菓子屋パックのふたを取って中を調べてくれた。
すると、中から真っ黒に腐ったゼリーが1つ出てきた。
「やっぱ腐っていますね」
と優男。

しかし、多分大丈夫でしょう。この手の真空パックが1、2年で腐るわけ無いし、1つが完全に腐っているのに他のゼリーにカビが転移していないところを見ると、1つだけパック不良で、他のものは完全に密封されている証拠ですもんね。
この時点で買う事に決めました、これも全てクワガタのため!。

ところがこの優男、いきなり嬉しいことを言い出した。
「こんなんで良ければ2000円でお売りしますよ」
こんなんも、なにも、すでに買う事に決めていたので渡りに船、即購入です。

「バイオブラウンゼリー」を受け取り2000円払って速攻で帰宅。
今考えるとあの優男、小声で「消費税・・・・」と言っていたかも。

じゃ〜〜ん、こいつが超高級、食いつきと値段が違う「バイオブラウンゼリー」。

早速、オオクワガタたちに与えてみました。
ワクワクして次の日、早く目が覚めてしまいました(笑)。
食べた後は無し・・・・がっくり。

しかし、その次に日食べた後を発見!。
「うお〜〜、やった〜〜、苦労したかいがあった〜」
思わずガッツポーズ。

食べていたのは5頭中3頭。一遍に3頭です!。しかもその次の日は全ての飼育ケースで食べた後を発見。さらに、オスのクワガタの食事風景まで観察できました。写真に撮ろうかどうか迷いましたが、ここはまたしても我慢(笑)。
でも、超高級「バイオブラウンゼリー」より、お子様向けのゼリーの方が食べた後が大きいのは気のせいでしょうか(笑)。

さてさて、なぜ急に食べてくれたんでしょう。
「バイオブラウンゼリー」の香りが食欲に火をつけたのでしょうか?。
環境に慣れたとも言えますよね。
さらに、お子様向けのゼリーが腐りかけて昆虫の好きそうなアルコールの発酵臭が漂っていたのも原因の一つかも。
まぁ、何はともあれ食べてくれたんですから良しとしましょう。

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