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2007年9月13日 VistaかXPか Windows VistaとXPの比較
「Vistaも選べるのか・・・・」

Web上に書かれたシステム構成をマウスのポインタでなぞりながら確認していた時、必然的に目に入って来たひとつの「選択肢」に、いくつもの偶然が重なる事によって、今回の長い長い話は始まります。

そう、それはその「選択肢」に出会う2ヶ月前のこと・・・・

「パソコンが壊れちゃってさぁ、もう大変よぉ」

近所に住む幼馴染の友人とのたわいもない会話の途中で、前後の脈絡も無く、まるで独り言のような口調で、不意に友人がつぶやいた。

彼は子供の頃大流行したファミコンにさえまったく興味を示さなかったほどのコンピュータ嫌い。しかしそんな彼も時代の脅迫に耐え切れず、5、6年前、ついにパソコンを購う事となったのだが、驚く事に雑誌などを買い集め、いきなり自作に走った。

「パソコンをいじった事もない人間が、自作なんて出来るわけないからやめておけ」という私の忠告には耳も貸さず、部屋いっぱいに買い揃えたパーツを丸2日で組み上げてしまった。

友人は「これくらい当然」と言う体で私にパソコンをお披露目しましたが、長い付き合いの私は「見てくれ!スゴイだろう」という本音がみえみえ(笑)。
ブロックのようにパーツを組み上げただけですが、組み上げたのがパソコンが大嫌いの初心者ですから、正直驚き感服しました。

「壊れたって、あの自作したパソコンか?」
「そう、それで新しいパソコン買ったんだ」
「また自作したのか?」
「いや、今は安いヤツがあるから」

そう、当時は彼みたいにインターネットとメールしかしない人間にとっては、全ての機能がそろっている市販のオールインワン・パソコンより、必要な機能だけに絞った自作のパソコンの方がずっと安上がりだった。しかし今は、通販サイトに行けば、機能を極限まで絞り込んだパソコンが、パーツ代にもならないような驚くべき低価格で売られている。

「モニターを捨てるのに、結構お金がかかるんだよ」
最近のパソコンの安さにビックリした以上に、古いパソコンの処分代金の高さにビックリしたらしい。
「オークションで売れば1000円くらいになるんじゃない?」
「あんなでかくて重いモン、どうやって送るんだよ。梱包代だけで3000円くらい欲しいよ。それに輸送中に壊れてトラブルになるのもいやだしね」
「じゃあ、俺にくれよ」

会社で使っているパソコンは、本体こそ新しいのですが、モニターはずっと昔から使っていたもののまま。処理速度に不満があるとか新しいソフトが使えないと言った不都合がある本体と違って、スペースが十分ある工場内ではブラウン管モニターでもなんら問題がないので、そのまま使い続けていたのですが、さすがに最近は画像がにじむようになって来て、そろそろ替え時と思っていました。

彼のモニターは確かに古いけど、ウチの会社にある曲面ブラウン管よりずっと新しいフルフラットのブラウン管モニター。さらにパソコン嫌いの彼の家にあったモニターですから、ほとんど使用されていない事は確実ですので、少なくともあと2、3年は十分使えるでしょう。

「もらってくれるのか?」
「うん」

最近は液晶モニターもかなり安くなってきておりますので、最終的な処分を考えると逆に高くつくような気もしないではないですが・・・・。

「これもついでにあげるよ」

そんな私の心を察してかどうかは分かりませんが、モニターを受け取りに彼の家に行くと、モニターと一緒に「Windows XP」の正規版が出てきました。

「正規版ならネットオークションでそれなりの値段が付くと思うよ」
「オレ、インターネットとか嫌いだから」
そうだったね(^_^;)

会社の古いモニターを、彼からもらった新しいモニターに交換して・・・。
問題はオマケでもらった「Windows XP」。
「ネットオークションで売り払って、古いモニターの処分代金にしようか」
「でも、落札価格が思いのほか良かったら、彼をだました様で後味が悪いよな」
「お金が余ったら、彼と一緒に飯でも食うか」

自分なりにいろいろ考えましたが結論は出ず、「なんかの時に」と言う甘い考えと一緒に、古いモニターと「Windows XP」は倉庫の奥へと追いやられる事となりました。

そして2ヵ月後。

「もう1台パソコンが欲しいね」

ファックスでのやり取りがどんどん電子メール化され、手書きの見積書がワープロになり、日々の納品書の発行さえパソコンに頼りきりになってしまった状態で、ウチの会社の年度末である8月を迎えてしまい、2台のパソコンではとてもまかないきれない状態になってしまいました。

とりあえず、なんとか今年の年度末は越える事は出来ましたが、将来的にはパソコンの負担は増える一方です。電子メール化されていない顧客もやがて電子メールでのやり取りへと移行するでしょうし、今は手書きで行っている注文書の発行などもパソコンに頼る事になるでしょう。
どう考えたって、もう1台パソコンを増やさないととても処理しきれなくなってしまいます。

「そうだね、1台買わないとね」

見積書などのワープロ業務やCAD作業で2台のパソコンを使っている時、メールの確認や納品書の発行など、ちょっとした事でも作業を中断しなくてはならなくなってしまうのが、今一番のネック。

ですから、ワープロや表計算のソフトがインストールされてなくてもいいし、CADなどが動くような高機能でなくてもいい。メールや納品書の発行など、簡単な作業をこなせるだけの最低ランクのパソコンが1台あるだけで、仕事の効率はかなり上がります。費用対効果を考えれば買うべき状況にあるようです。

「ああ、そうだ。モニターとOSが倉庫にある!」

なんと言う偶然!。

友人のパソコンが故障すると言うトラブルから偶然手に入ったモニターとOS。それを売りもせず捨てもせず、とりあえず保管しておいたと言う消極的判断が功を奏し、更なる低価格でパソコンが入手できそうです。

激安のパソコンと言えばネット販売。さっそくインターネットで調べてみました。
性能なんて関係ありません、一番安ければそれで決まりです。

「モニター無しのOS無しなら、その分安くなる」と思っていたのですが、どう言う訳か各メーカーともモニター無しのモデルはあっても、OS無しと言うモデルはありません。とは言うものの、パーツを集めて自作するにしても価格的にたいして安くはならないようですので、仕方なくOSがインストールされた一番安いモデルを各社からピックアップ。

ここのところ価格競争力ではソーテックが一枚上手のようで、会社のパソコンはNECとエプソンダイレクトから、共にソーテックへと置き換えられてしまいましたので、今回も5万円弱のソーテック で決まりと思ったのですが・・・

「33,900円!?」

1,000円、2,000円という僅差の競い合いで、なんとかトップを死守していたソーテックを、一気に15,000円の大差で突き放すメーカーが現れました、信じられません。

「こ、こ、これは、何か裏がある」

DELL(デル) Vostro(ボストロ)  200 スリムタワー
Windows(R) XP搭載 ベーシックパッケージ
CPU
インテル(R) Celeron(R) プロセッサー 420 
(512KB L2 キャッシュ、1.60GHz、800MHz FSB)
チップセット
Intel G33 Express
キーボード マウス
日本語キーボード オプティカル・マウス
メモリ
512MB(512MB x1) DDR2-SDRAMメモリ
PC2-5300(DDR2-667)
ハードディスク
80GB SATA 3.0Gb/s NCQ HDD
光学ドライブ
CD・DVD-ROMドライブ
保守サービス
1年保守 [引き取り修理]
OS
Windows(R) XP Home Edition Service Pack 2
正規版 (日本語版) 
モニター
無し
価格
33,990円 (税・送料込み)

CPUはCeleronの最下級品とはいえ、今年の6月に出たばかりの新製品。
メモリは、次世代品が登場し出してはいるものの、現在広く出回っているメモリの中では最上位クラス。ハードディスクは容量こそ少ないものの、最大転送速度なら現時点で最高レベル。
システム構成は非の打ち所がありません。

「送料か?」

しかし、なんとキャンペーン期間中に付き送料(5,250円)が無料。
ただ1つだけ裏があるとするならば、それは2,000台の限定販売であるという事だけ。

なんと言う偶然!。

さすがはDELL、これ以上安いパソコンなんて、そうそうお目にかかれるもんじゃありません。
限定2,000台のパソコンが売れてしまうのではないかと言う、おろかな消費者心理にせかされる様に、すぐさま発注作業へ。

DELLですので、たとえ限定モデルでもしっかりカスタマイズできるようになっています。
33,990円で釣っておいて、カスタマイズでモニターやメモリーを追加させて利益を出す戦略のようですが、そんな手に乗る必要はありません。なんせ、こちとら納品書の印刷とメールの送受信が出来ればよいだけなんですから。

「モニターは要らない、メモリーも512MBで問題なし、ハードディスク容量もこのままで十分」

オプションの追加は無し。
少し疑っていましたが、本当に金額は33,990円で購入できてしまうようです。

オプションを選択する事無くページの最後まで目を通し、ページの先頭からもう一度内容を確認していると必然的にひとつの選択肢が目に止まりました。

「Vistaも選べるのか・・・・」

冒頭に出て来たつぶやき。
そう、前置きが長くなりましたが、今回のお話はここから始まります。

Vistaと言えば、最新のOS。しかし、いろいろ凝った作りになっていて、その性能を如何なく発揮するにはかなりのスペックが要求される、いわば使うマシンを選ぶ気高きOS。今回購入するような安物のパソコンでは、Vistaを動かすのに精一杯になってしまい、メールソフトすらまともに動かなくなってしまうでしょう。

そりゃ、Vistaがどんなもんだかいじってみたいです。Vistaを選んでもXPを選んでも価格は同じとなればVistaを選択したいのは山々ですが、どう考えたってVistaがまともに動くシステム構成ではありませんので、今回はあきらめるしか・・・・・

「あっ、OSなんてなくてもいいんだ」

そう、手元に「Windows XP」の正規版があります。パソコンは「Windows Vista」で購入し、Vistaをいじくり倒したあと、手持ちのXPをインストールしなおせばいいんです。

なんと言う偶然!。

不要と思われたモニターだけでなく、売ってしまおうと考えていた「Windows XP」も、役に立ってくれるとは。

さっそくOSだけ「Windows Vista」にカスタマイズ。

最後の発注画面で再度価格が33,990円になっている事を確認し、全ての偶然に感謝しつつ「注文する」を満足感いっぱいでクリック。

10日後。

「Home Basic」という一番低いエディションではありますが、我社に「Windows Vista」がやってきました。Vistaは重い。Vistaは遅い、Vistaは使えない。
「こんな最低レベルのスペックじゃ、なにをするにも待たされて、ストレス溜まりっぱなしだな」

すぐに梱包を解き、すでに確保してあったモニター横のスペースに置き配線作業開始。

運悪く急用が入りセットアップなどは他人任せとなってしまいましたが、立ち上がった「Windows Vista」いじくってみると・・・・。

「なんだ、こいつは!」

とりあえずウエブブラウザやメールソフトでその立ち上がり具合を調べてみたのですが、これが、私が今使っているパソコンより、ずっとずっと早いスピードで立ち上がります。一瞬で立ち上がると言うとちょっと大袈裟ですが、今までの感覚からすると「ポン、パッ」って感じです。

Vistaは重いんじゃないのか?。Vistaは遅いんじゃないのか?。Vistaは使えないんじゃないのか?・・・・・世間の噂を鵜呑みにしすぎてしまったようです。

確かにXPに比べればVistaは遅いかもしれない。でも、たとえ遅いVistaを乗せた3万円程度のパソコンでも、4年前に買った当時14万のパソコンより、2年前に買った当時5万円のパソコンより、ずっとずっと速くなっています。

「クロック周波数も、メモリ容量も一番少ないパソコンなのに・・・・・」

今回買ったパソコン
今使っている
プライベート用のパソコン
最近買った
会社のパソコン
購入日
2007年9月
2003年2月
2005円2月
価格
33,990円
14万円程度
5万円程度
OS
Windows Vista
Windows XP
Windows XP
CPU
インテル Celeron 420
インテル Pentium4
インテル Celeron D 325
クロック周波数
1.6GHz
2.4GHz
2.53GHz
メモリ
512MB
1GB
768MB
グラフィックカード
なし
NVIDIA GeForce4
MX420 64MB
なし
モニタ
なし
なし
なし

パソコンに一番興味を抱いていた時期が、インテルとAMDがクロック周波数争いをしていた時期と重なり、クロック周波数こそが全てだと言う思い込みもあったため、今回の結果はまさに目からウロコ。

クロック周波数やメモリ容量なんて、車に例えれば排気量みたいなものなのかも。5年前の排気量3000ccのF1マシンなんて、現在の排気量2400ccのF1マシンの足元にも及びませんもんね。

クロック周波数が右肩上がりにドンドン増えていた頃は、クロック周波数が多い方が最新のパソコンであり、最新のハードディスクに最新のメモリ、最新のOSを搭載していて、間違いなく「速いパソコン」でした。

しかし、クロック周波数が頭打ちになりつつある今、ただ単にCPUのワンスペックだけでパソコンの能力を測る時代は去り、ハードディスクの転送速度やOSによるメモリの有効利用など、パッケージの総合力でしか真の能力を測れない時代が来たようです。

「しかし、当時14万円のパソコンが、今の3万円程度のパソコンの足元にも及ばないとは・・・」

今もっている自宅のパソコンは、インターネット閲覧ソフトを立ち上げるのに20秒弱、メールソフトの立ち上げにしても10秒強、不満というよりイライラが募るような状態です。それも今売られているたった3万円程度のパソコンにも劣るような状況なのですから、もはや買い換える時期が来てしまったと考えるのが妥当なようです。

かくして、4年前にがんばって背伸びして買ったパソコンの買い換えを考える事となりました。
プライベート用となると安いだけじゃ決められません。自分の使用法とパソコンのスペック、そして懐具合を考えて、最高のバランスを持ったパソコンを見つけ出さなくてはなりません。

オンリー・ワンのパソコン探しの旅が始まるようです。
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XPとVistaの比較
Vista対応パソコン
DELL Vostro(ボストロ)
XPとVistaの互換性
Vistaのスリープモード
XPとVistaの起動時間
Vostroのメモリ増設
外付けハードディスク
ビデオカードを増設
Vistaが勝手に再起動