| いや〜、正月もあっという間に過ぎて仕事が始まってしまいましたね。 仕事始めはいつも挨拶回り。仕事をくださるお得意さんに新年のご挨拶。
 電車で一時間くらいのところのお客さんは毎年ご挨拶に伺っているんですけど、全て回るとなると3日はかかる。本日、やっと挨拶回りが終わりました。
 
 東京ローカルの話で申し訳ないんですけど・・・・。
 
 全ての挨拶回りが終わって、新宿から電車で帰るときのこと。
 なぜか目に飛び込んできたのが「大江戸線」
 うちは羽田空港の近く、山手線で品川まで出て、そこから京浜急行。
 大江戸線でも大門まで出れば浅草線乗換えで、京浜急行に直通の電車がある。
 大江戸線でも帰れないことはない。
 
 「大江戸線か・・・・・まだ一度も乗ったことがなかったなぁ〜」
 ただ単に好奇心だけ、ただそれだけで大江戸線を選んでしまいました。
 別に大江戸線でも山手線でも乗ってしまえばたいして変わらないんですけどね。
 でも、ガラガラでゆっくり座ってこれたので、良しとしますか。
 
 大門で乗り換え。切符は京浜急行直通で買ってある。
 浅草線のホームに行くとちょうど電車が入ってきたところでした。
 ブレーキをかけながら目の前を走りすぎる車両に表示されている行き先を目で追う。
 「・・・・・空港行き」
 ラッキー!。浅草線は京浜急行に乗り入れない「西馬込行き」と京浜急行に乗り入れる電車があるからね。こんなタイミングで京浜急行直通の電車が入ってくるなんてほんとにラッキー!。
 
 電車に乗り込む。車内はガラガラで端っこの席をキープできました。
 こうなるともう睡眠モード。
 
 どれくらい時間が過ぎただろう。駅に止まる気配を感じてふと目が覚めるとまだ地下鉄の駅。
 京浜急行に入ると地上に出るのですぐに分かる。
 駅名は・・・・「あさくさ〜」・・・・録音された女性の声がそう告げていた。
 「まだ浅草か・・・もう一眠りできるな」
 
 ガタンゴトン、ガタンゴトン・・・・。
 心地よい揺れが3日間移動しまくってヘトヘトになった私の体を深い眠りにいざなう。
 軽く一眠りしただろうか、なぜかふと頭の中に「浅草」の文字が浮かんだ。
 まるで夢でも見るようなうつろの頭の中で「浅草」と「大門」の文字が浮かんで、みょうに引っかかる。
 
 そのときだった、車内のアナウンスが次の停車駅を伝えた。
 「押上・・・・」
 
 「浅草」と「大門」、そして「押上」の3つ文字が頭に浮かんだとき、うつろな頭が一気に覚醒に転じた。
 「反対方向に走っている!」
 そう、「大門」「浅草」「押上」とくれば私の家の方向である羽田空港からどんどん離れている。
 
 「なぜ?」
 
 わからない、でもこの電車は確かに「空港行き」だった。間違いない。
 車内に何かヒントになるようなものはないかと探し回る。ドアの上に電光掲示板があった。
 「次の停車駅は押上・・・・」
 右から左へと電光掲示板の文字が流れていく。
 「この電車は・・・・」
 電光掲示板の流れる文字を目で追う。そして、次の文字を見たとき全てを悟った。
 
 「成田空港行きです」
 
 確かに「空港行き」だった。しかしあの時「空港」の文字を確認しただけで勝手に「羽田」と解釈し、その直前に書かれていたであろう「成田」の文字なんか気にも留めなかった。
 
 口が開いた。何かを言おうとした・・・・言い訳?、負け惜しみ?。
 言葉を捜しているうちに気が付いた。言うべき言葉もないし、言うべき相手もいない。
 
 前の座席にカップルが座っていた。
 口を半開きにして遠くを見ている私・・・・・「ポカ〜ンとしている」と言う言葉を絵に描いたような光景だったことでしょう。
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