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2008年6月29日 イモリの孵化
イモリの卵の管理は初めての事ですので、とても気を使っています。エアレーションは強すぎず弱すぎず、まるでそよ風のように、酸素を含んだ新鮮な水を卵たちに運んでくれる様、調整しています。水換えは1日1回。全体の1/3程度を交換しています。

いつものように、水換えするために卵水槽の水を汲み出そうとした時、水槽の中に何か動く気配を感じました。その正体を確かめようと、水槽の中を隅々まで見回しましたが、何も発見する事は出来ません。

「目の錯覚だったのかな?」

しかし、イモリの卵はもう孵化しても良い頃。もしかしたら水草の陰に、既に孵化したイモリの幼生が息を潜めているかもしれません。そう思い、長いピンセットを持ってきて、イモリの卵水槽に植えられている水草をかき分け、孵化したイモリの幼生を探していると・・・・

シュシュッ

すばやく移動したやつがいます。

「ハゼ?」

その動きは、春先、浅瀬にいたハゼの稚魚が、私の足音に驚いて、シュシュッと短く素早く逃げ出した時の動きにそっくりでしたので一瞬そう思いましたが、水槽の中にハゼなどいるわけありません。しかもハゼの稚魚なんかよりずっと小さな小さな生き物です。

「どこに行った?」

その小さな生き物が移動した先を、目を凝らして探していると・・・。

それは1cm位の小さな小さな生き物。
ともすれば底床と同化して、すぐに見失ってしまいそうな小ささです。

「孵化したんだ」

どうやらイモリが卵から孵化したようです。
イモリの幼生を間近に見るのは初めて。

もっと、頭でっかちなオタマジャクシのようなものを想像していただけに、そのすらっとした線の細い外観にちょっとびっくり。

「とりあえず、隣の水槽に移さなきゃ」

イモリの卵水槽の隣には、イモリがいつ孵化しても良い様にと、イモリの幼生用の水槽が既に用意され、卵水槽と同じ水になるように、しっかり水質管理してきました。イモリの幼生用の水槽と言っても、ベアタンク(底床のない水槽)の真ん中に、エアストーンがポツリとあるだけの、いたって寂しい水槽なんですけどね(^_^;)

イモリの幼生を捕まえようと、100円ショップで買った鍋の時に使う「アクすくい網」を取り出し、イモリの幼生の下にそっと入れようとすると・・・・。

シュシュッ

孵化したばかりとは思えない、とんでもない素早い動きで逃げていきます。

「どこに行った?」

アクすくい網で水草をどかしながら探していると、シュシュッと動くイモリの幼生を再発見。

「ここにいたか」

と思ったその時、別の場所でもシュシュッと動くものが目に入ってきました。

「ありゃ、もう1匹いたのか」

どうやら孵化していたのは1匹ではなく2匹のようです。とりあえず、新しく発見した幼生はおいといて、さっきの幼生を網で追いかける事に。

すくおうとしては逃げられ、すくおうとしては逃げられ。追い掛け回しているだけで、まったくラチがあきません(^_^;)

「ありゃ?」

夢中になって最初の幼生を追い駆け回していたのですが、驚いて逃げ惑う幼生の数が、2匹ではなく、3匹になっているような感じ。

「ここに1匹、ここに1匹」

見つからないようにじっとしている幼生の数を、水草をどかしながら確認していると、どかした水草の影からまた1匹、未確認の幼生が現れました。

「結構孵化していたんだなぁ」

これだけの数の幼生が孵化していたとなると、今日一斉に孵化したとは考えられず、昨日も孵化した幼生がこの水槽にいたと思われます。でもなんで昨日は気が付かなかったんでしょう?。

そんな事を考えながら、一番最初に発見した幼生の捕獲作業を再開した時、驚くべき決定的瞬間を目の当たりにしてしまいました。

なんと、幼生を捕まえようと邪魔な水草を網でどかした瞬間、その水草に付いていた卵の中の幼生が驚いて動き、その反動でツルンと卵から出て来てしまったのです。

「そういう事か」

道理で、イモリの幼生を追い駆け回している内に、逃げる幼生の数が増えている訳です。

ツルン、ツルン。

孵化日に厳密な規定は無い様で、ある程度成長したら、外部からの刺激によって簡単に孵化してしまうようです。

カナヘビみたいに孵化の様子を写真に収めようと思ったのですが、それは一瞬の出来事。
幼生が卵の中で暴れたと思った次の瞬間、ツルンと出てきてしまいますので、残念ながら無理でした。

悪戦苦闘しながら、なんだかんだで、やっと孵化したイモリの幼生たちのお引越しは終了です。

こちらがイモリの幼生用の水槽です。

殺風景なので、気休めにバックスクリーンなんか付けちゃっています(^_^;)

一息入れて、イモリの幼生をじっくり観察する事に。

オタマジャクシに比べると、とてもシャープで、泳ぎがうまそうな印象です。

体長は1cmほど。外に大きく張り出した外鰓(がいさい、そとえら)がとても印象的です。

お腹の黄色い部分はヨークサックと呼ばれる栄養分。しばらくの間エサが食べられなくても大丈夫なようにと、お母さんからもらった非常食。

膨らんだヨークサックがあるのに、なんでコロンと転んでしまわないのかなぁと思ったら、ほほの辺りから棒のようなものが出ています。バランサーと呼ばれるものらしいのですが、これをまさに頬杖に使って、体を起こしているようです。良く出来ていますね(^_^;)

水槽のすみっこに来たイモリの幼生。

こりゃもう完全に、宇宙人ですね(^_^;)

体をしっかり支える、まるで前足のようなバランサー。そして酸素をいっぱい吸収するために大きく張り出したエラ・・・・一時期、一世を風靡したウーパールーパーそっくりです。

幼生との追いかけっこはもうこりごりなので、もうすぐ孵化しそうなやつも、卵のうちに幼生水槽に移す事にしました。

そしたら、ツルン。

倒れそうで倒れない。頬のバランサーがうまく機能しているのが分かるでしょ。

しばらく孵化ラッシュが続きそうです。とりあえず大きなヨークサックを持っているようですので、当面はエサを必要としないと思われますが、準備だけは、しっかりしとかないとね。


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