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菌糸ビンの添加剤



大型のオオクワガタを狙うなら、幼虫の飼育はなんといっても菌糸ビン飼育。

その菌糸ビンを作る時、菌床に混ぜるのが添加剤(栄養剤)です。

菌床に添加する添加剤っていろいろありますよね。

私もいろいろ試しておりますので、その結果などをまとめておくためのページです。

菌糸が再生するもの、しないもの。

際立った結果は出ておりませんが、何かのヒントくらいにはなるかな?。

新しい添加剤の結果が出ましたら随時更新してまいります。




添加量は重量で菌床の10%。かなり多い量ですが、
毒性のあるにもかかわらず少量のため菌糸が再生してしまって、
幼虫に与えてしまうことを避ける為、この量にしました。
菌床の量
添加剤の量
ハチミツ600
240グラム
24グラム
ハチミツ1000
400グラム
40グラム




菌糸が再生した添加剤
麦芽
ポピュラーに使われている添加剤ですがこんなにいっぱい入れた人はいるかな?。菌糸も再生し、幼虫たちも無事羽化することが出来ました。
成虫は全体的に平均以上で、大きさに偏りもなく、非常に安定している添加剤と言った印象を受けました。
プロテイン
やっぱ体を大きくするならこれでしょ。ウイダーのウエイトアップビック
普通のプロテインみたいに、たんぱく質オンリーというわけでなく、体を大きくしたい格闘家のような人向けの商品です。高たんぱくでバランスよくといったところでしょうか。人が飲みやすいように香料が加えられているのが気になりましたが、幼虫たちは嫌がることなく育ってくれました。
麦芽に劣らず良い添加剤でした。
粉ミルク
粉ミルクだけ飲んで、どんどんでっかくなる赤ちゃんを見れば、誰でも試してみたくなるでしょう。完全バランス飲料、ただし人間の(笑)。
粉末状なので混ぜやすいと思ったんですけど、菌床の水分に触れた瞬間ダマになって混ざりにくいです。さらに、20℃〜23℃の絶妙の温度帯で管理しても、きちんと再生してくれるのはハチミツ600で9割程度、ハチミツ1000では6割程度です。効果は抜群ですが、歩留まりの悪さを考えると、あまりお勧めできません。
米ぬか
近くのスーパーで買ってきました。唐辛子入りとかにんにく入りなんてものがありましたが、純粋に米ぬかのみのものを選びました。カルシウム強化って書いてあったけどその辺は愛嬌ってもんで。
上の3つに比べると、やや小さめの個体が羽化しました。
釣りえさ
マルキューのチヌパワー スペシャル というチヌ釣り用のエサ。
「何でいきなり釣りエサなんだ〜」って声が聞こえてきそうですが、その配合を見れば納得。
ウニ粉末、酵母、糖蜜、麦、パン粉、アミ、ぬか、さなぎ粉、貝殻、大豆、ミネラル、乳酸菌。たんぱく質12.2%以上。
バランス的には良いと思ったのですが、あまりいい結果は出ませんでした。
ロイヤルゼリー
ご存知、ミツバチが女王バチを育てるために使用するハチミツです。
はたらきバチに比べて、桁違いの大きさを誇る女王蜂。やはりあの大きさのヒミツはロイヤルゼリーなのでしょうか。値段が高く大量に与えることができなかったためか、目立った効果はありませんでした。
カニ殻粉末肥料
牛乳をたくさん飲んだ子供は背が高くなる。人の身長とカルシウムの摂取量は密接な関係があるようです。
クワガタは人間と違って外骨格の生物。と、なれば外骨格を形成する栄養を与えてやればごっつい個体が生まれるはずですが、摂取量が多いオスの3令での突然死が発生してしまいました。塩分などの蓄積によるものと思われますので、初令から与え続けるのではなく蛹化前の最終ビンとしての使用を考えています。
アミノ酸
グルタミン、アルギニンなど、成長ホルモンとして体内で活躍するアミノ酸を中心に、ロイシン、イソロイシン、バリンなどを総合的に添加してみました。
万能薬的なイメージが先行してしまっている感が否めなず、期待していたほど効果はありませんでしたが「添加剤の添加剤」として使用するにはよいかもしれません。



菌糸が再生しなかった添加剤
植物プロテイン
牛乳アレルギーの人のために作られた大豆が原料のプロテイン、ウイダーの純植物性プロテイン。
オオクワガタは肉食じゃないから植物性のほうが消化しやすいだろうと思って買ってきましたが、菌糸は再生しませんでした。再生できなかった菌糸ビンのふたを開けると鼻をさすような臭が。
「こいつは納豆だ!」
納豆菌はワラだけでなく、その辺の枯れ草にも普通に付いている菌なので、オガコの中にもいるのでしょう。それが大豆というエサを得て、オオヒラタケの菌糸よりはやく広がってしまったんだと思われます。
ビンの内壁の水分が多かったところは、しっかり糸を引いてました(笑)。
キナコ
こいつも大豆が原料ですが納豆になることはありませんでした。
しかし、どういうわけか菌糸は再生しませんでした。
さなぎ粉
そりゃそうだ、やつらはさなぎになるために栄養を蓄えているわけだから、さなぎを食べさせてあげればまさに完全食。
さなぎを採ってきて、すり鉢ですり潰して・・・・って訳じゃありません。つりエサ用に売っているんです、マルキューのさなぎ粉。
「純正さなぎ100%」って書いてあるけど、何のさなぎかは不明。
「純正」っていわれても、どの辺がどう純性なのかも不明(笑)。
釣りエサですからね、魚も食いつくだけで食べるわけではありませんので、保存料的なものが使われているのかもしれません。保存料=殺菌剤ですから、オオヒラタケの菌が死んでしまったのかもしれません。
ビール酵母
アサヒ 粉末ビール酵母。近くのスーパーで買ってきました。
生きている酵母と菌糸がけんかして酵母が勝ってしまったというところでしょうか。月夜野きのこ園で売っているビール酵母は不活性化されているので、菌糸が再生するんでしょうね。
プロテイン
国産プロテインメーカーの双璧と言ったら「ウイダー」と「ザバス」。
ウイダーのウエイトアップビックはしっかり菌糸が再生したのに、ザバスのタイプTはどういうわけか再生しませんでした。原料に大豆があげられているのと、再生しなかったビンが納豆くさかったことを考えると、植物プロテインと同じ理由なんでしょうね、きっと。
コラーゲン
お肌によいとされるコラーゲン。しかし、そのコラーゲンにはもっともっと重要な働きがありました。われわれの体を支える骨。骨の有機物の90%はコラーゲンで、骨はコラーゲンの塊にカルシウム等が付着して出来たものなのです。もちろん皮膚もその70%がコラーゲン。
微生物から多細胞の大型動物へと進化できたのは、このコラーゲンが細胞の一つ一つを支えるようになったからなのです。
まさに細胞の枠組みともいえるコラーゲン。かなり期待していたのですが、菌糸再生後、2週間ほどでアンモニア臭を発し腐ってしまいました。

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