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保冷(クワカブの夏場対策)


やっぱ夏は暑い。

あまり高温が続くと、菌糸は劣化してしまうし

幼虫たちも、成長しきらないうちに羽化してしまう。

大型を狙うなら夏場の温度管理が重要だといわれている。

クーラーをガンガンきかせるか?。

月の電気代5000円位かかるらしい。家族の顔色が気になる。

そこで考えたのがこの方法。

月の電気代は600円程度。

目に付きにくいところに設置すれば、家族に文句を言われることもないでしょう。

オオクワガタの夏場の温度対策についてご紹介です。



ワインセラー

エクセレンス 「ワインクーラー110L」 MB−111C
実勢価格で6万円弱くらいです。容量は110リットル。

詳しい仕様はこちら。

7℃〜18℃の温度帯と書いてあったのでクワガタには低温すぎると思い、別にサーモスタットを購入し24℃前後で調整できるように改造するつもりでした。

ところが、温度調整つまみを「弱」いっぱいまで回すと26℃になりました。私が買ったものが幸運の不良品だったのかどうかはわかりませんが、温度計を見ながらつまみを微調整し、現在では24℃で稼動中です。

温度帯は設定された温度より1.5℃低くなるとコンプレッサーが稼動し、1.5℃高くなるとコンプレッサーが止まる構造になっているようです。

真夏の30℃を超える室内でも22.5℃〜25.5℃の間をしっかりキープしてくれています。
庫内の温度変化が3℃位ですからね、菌糸ビンの中の温度はほとんど変化なく、幼虫たちは快適な環境でスクスク育ってくれているでしょう。

常時、内気扇が回っておりますので、上部の下部の温度差はまったくありません。

冷蔵庫だとバターを入れるところや卵を入れるところなど、いろいろ工夫されているんだけど、それがかえって邪魔になって有効スペースが少ないでしょ。

でも、ワインセラーはコンプレッサーの出っ張りと、移動できる棚があるだけで、あとはただの箱って感じ。とっても収容力があります。

写真はハチミツ1000を並べたところ。
ハチミツ1000なら縦横整然と並べて40本くらい入ります。
ギュウギュウに詰め込めば50本くらい入るかな。

棚の高さは自由に変えられるので、ハチミツ600など高さが違うビンの収納にも便利です。

音はかなり静かです。去年買った冷蔵庫より静かです。
扇風機やクーラーをつけたままで寝られる人は寝室においても問題ないと思いますよ。

棚は引き出しにもなっているので、奥の菌糸ビンを取るのに便利。
ワインセラーなのでちょっとおしゃれに木材で出来ています。

そうそう、「ワインセラー」って書いてきたけど、種別的には「ワインクーラー」になるそうです。
加湿機能や加温機能が付いていないからそうなるらしいですが、詳しいことは良くわかりません(笑)。

日本のジメジメした夏場に利用するものですからね、加湿の機能はいりません。もちろん冬になれば温室がありますから加温の機能もいりません。

それらの機能を省いたおかげで、ワインセラーなら10万円を超えるようなサイズにもかかわらず、6万円を切る値段で買う事が出来ました。

通常のワインセラー「MB−111C 」の温度制御につきましては、外付けのサーモが必要になると思います。ワインセラーをちょっと分解してみましたが、サーモ部分を簡単に取り替えられるような構造になっておらず、私のような素人には改造は不可能なようです。

ですので温室用など、市販されているサーモを買ってきて、家庭用電源からサーモ、そしてサーモからワインセラーという具合に配線します。ちょうど延長コード感覚ですね。そしてサーモの温度センサーをワインセラー内に設置します。ワインセラーに温度センサーコード用の穴を開けなくても、コードをドアに挟んでおけば大丈夫です。

サーモを24℃に設定すれば、ワインセラーがいくら温度を下げようとしても、24℃以下になると、サーモがワインセラーへの電気の供給をストップし、それ以上は温度が下がらないといった仕組みになります。もちろんワインセラー内の温度が上がれば、サーモから再び電気が供給されるようになり、ワインセラーが稼動します。

ワインセラーは定格で130W。起動時には5倍近い電力を必要としますので、最低でも700Wを制御できるサーモにが必要となります。通常のヒーター用のサーモとはまったく逆の動きをするクーラー用のサーモで、700Wを超えるような電力を制御できるものは、なかなかないようで、私の知る限りでは「農電 電子サーモ ND−610 」ぐらいです。

ワインセラーでハチミツ1000の菌糸ビンを40本並べて飼育しておりましたが、酸欠にはなりませんでした。
成長しきった菌糸と40頭の幼虫ではそれほど酸素を消費しないので、隙間からの換気で十分まかなえたようです。

しかし、3000ccの菌床2個分を菌糸ビンに詰め、菌糸の再生を行ったところ、酸素濃度が2時間で0.5%も少なくなってしまいました。

0.5%と言うとたいしたことがないようですが、通常の酸素濃度は21%。人間の基準だと、これが19.5%になるとキケンで、18%になるとヤバイそうです。

幼虫や菌糸はもっと低い酸素濃度でも大丈夫だと思いますけど、基準がわからないので菌糸の再生時には使用しないか、使用するにしても頻繁に換気を行ったほうがよさそうです。
ただし、酸欠になったのは活発に菌糸が再生していた1日目と2日目だけで、3日目以降は締め切っていても酸素濃度が下がることはありませんでした。





冷蔵庫

ワインセラーだけでも良かったんですけど、ちょっと手狭な感じがしたし、予備の菌床などをストックしておくスペースが欲しかったので中古の冷蔵庫を買ってきました。

なんといっても、ワインセラー改造用に買っておいたサーモスタットが不要になり、あまっていたのが一番の理由。

2ドアーで容量は冷凍室が31リットル、冷蔵室が81リットルです。

写真で、冷蔵室に入っているのがハチミツ1000、戸袋に入っているのがハチミツ600です。

冷凍室と冷蔵室をあわせると112リットルと、ワインセラーより広いのですが、やはりいろんな出っ張りのせいで無駄なスペースが多くなり、思ったほど入りませんでした。

一番高い温度設定にしてみましたが最高でも12℃と、クワガタの飼育にはまったく適していません(あたりまえ・・・・・笑)。

今回、冷蔵庫を改造するのに使ったサーモスタットです。
普通にい言うところの「換気扇サーモ」ってやつ。
でも換気扇サーモの容量はだいたい100W程度、とても冷蔵庫の制御には使えません。

100W以下の冷蔵庫でも起動時には定格の3倍から5倍の電圧がかかりますので最低でも500Wは必要です。

いろいろ探してやっと見つけたのがこれ
農電 電子サーモ ND−610   1万円位

1000Wまで使えます。スイッチひとつでヒーター用サーモにも換気扇用サーモにもなるところがミソ。

ヒーター用なら1000Wくらいは必要ですからね。それがスイッチ1つで換気扇サーモになるから、1000Wの換気扇サーモの出来上がり。

この写真はちょっとわかりづらいかな。

冷蔵庫のサーモセンサーや、照明灯、温度調節つまみなどが一体化して取り付けてある箱を取り外したところです。

サーモスタットのセンサーコードをどこからか通さなくてはいけなかったんですけど、コード類は冷蔵庫の内壁と外壁の間を通っていて、通す穴が確保できませんでした。

仕方ないのではずした箱の裏側にドリルで穴をあけちゃいました(写真中央)。

後々良く考えてみると、わざわざ穴を開けなくても、コードを冷蔵庫のドアに挟んでおくだけでも良かったような気がします。コードなんてそれほど太いものではないですし、冷蔵庫のドアにはゴムパッキンが付いていますので、それほど冷気を逃がしてしまう事もなかったでしょう。

で、その穴から黒いコードを2本。1つはサーモスタットのセンサーコード。
もう1つは内気循環用に使うファンの電源コード。

これが今回購入したファンです。

日本動物薬品マルチファン  1300円くらい。

本当はアクアリウム用で、夏場、水槽に取り付け、気化熱で水温を下げるための品物です。

ACアダプターと本体が別々になっているので、ドリルであけた小さい穴にコードが通せるためこれにしました。内気扇がないと、冷蔵庫の下と上でかなりの温度差が出てしまいますからね、必需品です。

取り外した箱を元に戻すと、ほらこの通り。
ドリルであけた穴も隠れ、サーモスタットのセンサーも見えなくなりとってもすっきりしました。

もちろんドリルであけた穴は、変な粘り気のある穴ふさぎ専用の粘土みたいなやつでふさいでおきました(品名がわからん・・・笑)。

内気扇のおかげで上部と下部の温度差はまったくありません。

マルチファンは直接コンセントに接続して24時間稼動中(月50円程度・・・ヤス!)。
冷蔵庫のコードをサーモに差込み、サーモのコードをコンセントに差し込んであっという間に完成です。

サーモスタットは±1.5℃というカタログ以上の温度帯をしっかりキープしてくれております。
現在は23℃で電源オン、25℃で電源オフです。

計算違いだったのが冷凍室。
冷蔵室を24℃前後で稼動させれば、冷凍室は10℃位になるのではないかと思っておりました。そしたら菌床ブロックの長期保存なんかに最適だと思っていたんですけどね・・・。

冷凍室は1℃〜19℃と、とても温度変化の激しい場所になってしまいました。
やっぱ冷蔵庫は大きさの割りに有効スペースが少ないね。

ぎゅうぎゅうに詰めるとこんな感じです。
冷却効率が落ちそうですが、そこは内気扇にがんばってもらいましょう。

月夜野きのこ園さんから7個の菌床を購入し、1ブロックをハチミツ600、9本分に。1ブロックをハチミツ1000、5本分に詰め替え、残りの5ブロックをそのまま冷却しているところです。

月夜野さんは1箱8ブロックだからあと1ブロック入れば完璧だったんですけどね。

冷凍庫にあと2ブロックほど入れられますが、温度変化があまりにも激しいので、入れる勇気がありません。
冷蔵室が100Lぐらい欲しかったですね。

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