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2005年9月10日 カナヘビの孵化
いつものように、何気なく水槽を眺めていたら、見知らぬ生物が目の前を横切った。

「えっ!」

飼育している覚えのない生物にびっくりして思わず声を上げると、私の声が届いたのか、その生物はチラッと私の方を見た。

しかし、私にまったく興味が無いかのように
また前を向き、何事もなかったように立ち去ってしまいました。

岩陰に完全に隠れてしまうまでその生物を見送ったあと、一呼吸置いて我に返った。

「えっ、だって今の・・・・カナヘビ?」

うん、確かにカナヘビのようでした。しかし、私が飼っているカナヘビとはぜんぜん違う。何が違うってその大きさ。めちゃくちゃ小さい、目も口も手も。あんな小さなカナヘビを飼育している覚えは無い。

外部から進入したのか?そんなわけ無い。コオロギすら脱出不可能な水槽だ。だとすれば考えられることは一つ。孵化した?。
しかし卵なんて一度も見ていない。見てはいないがこの水槽のどこかにひそかに産み付けられていたのか。

「そうだ、そうに違いない」
私の見えない所に卵が産み付けられ、そして知らないうちに孵化したんだ。
1匹だけか?いや、卵が一個というのは考えにくい。
となると、まだ孵化していない卵がこの水槽のどこかにあるかも。

一気にボルテージが上がる。
孵化の瞬間は何が何でも観察せねばという使命感のようなものが湧き出てくる(笑)。
水槽の中に手をいれ、パニックになって走り回るカナヘビには目もくれず石や落ち葉をどけていく。どけるたびにとんでもない数のコオロギが飛び跳ねる。でももうコオロギなんて怖くない。何とか卵を見つけ出さねば!。

「あった、これだ!」
何枚目かの落ち葉をめくった時、そこに小さくて白い卵の姿が!。
その場所は水槽正面からは死角になっておりました。
発見した卵は2つ。見た限りではまだ孵化していないようです。そして抜け殻がひとつ。

「よし、机の上に移動させて観察だ!」
1つ目の卵を持ち上げようとして気が付いた、爬虫類の卵には上下があってひっくり返すと良くないらしい。
「何か印をつけなくては」
慌てて家中を走り回り、子供のお絵かきペンをGET。卵の上部に印をつける。

1つ目をつまんでその感触にびっくり。卵というから固い殻のようなものを想像していたのですが、実際はゴムのように柔らかい。小学生の時に使用した水泳用のゴム帽子のような感じ。

「こんなにフニャフニャなんだ」
ちょっとした拍子につぶしちゃいそうです。摘み上げた卵を手のひらに乗せ、机に持って行く。机の上にそっと卵を乗せて、ペンでマークした場所が上になるように置き直す。

そしてもうひとつ。
水槽から摘み上げて、手のひらに乗せた瞬間、驚くべきアクシデントが発生。

なんと卵の中から子カナヘビがぁ〜!!。

ツルンです。一瞬のうちにツルンと出てきてしまいました。「あわわ、どうしよう〜」
カナヘビは勢いよく出て来てみたものの、新しい世界に驚いてか、そのままじっとして逃げる様子がありません。

「そうだ撮影だ。今しかチャンスは無い」
子カナヘビを驚かさないよう。しかし最大戦速で撮影の準備を進めて「カシャ」。

まだみずみずしい子カナヘビの写真を撮る事が出来て一安心。
「おっと、一安心なんてしてらんない。もうひとつの卵も生まれてしまうぞ」

案の定、もう孵化直前の状態でした。

卵の尖った方に切れ目が入り、そこから子カナヘビの口が覗いています。

すでに体は出来上がり、あとは殻を破って出てくるだけのようです。ちょっと刺激を与えたら、さっきのようにツルンと出てきてしまうでしょう。
口の先端を使って卵の切れ目を広げようとしています。

カナヘビが動くたびにやわらかい卵の殻がボコリボコリと変形します。
口先で卵の裂け目を広げるのに疲れたのか、一度殻の中に戻って休憩中。

卵の殻はあらかじめ十字の切込みが入っているようで、それに沿ってきれいに裂け始めています。

横一文字と、それと直角に交差する縦に裂け目が下から現れているのがわかります。

画像にポインタを合わせてみよう。クリックしちゃダメだよ
そしてまた口先が出てきたと思ったら・・・

(画像にポインタを合わせてみよう)
出てきました!。
地面に爪を突き立ててまるで怪物のようですね。でっかい写真だとさらに迫力があります。

井戸から出てきた貞子みたい(^_^;)
でも実際はこんな感じ。
まるでヒマワリの萌芽のよう(笑)。

とっても小さいし、とってもかわいいんですよ。

後ろ足が引っかかって、なかなか出てこられないですが、一生懸命がんばってます。
だいぶ出てきました。お兄ちゃんはツルンと一呼吸で出てきてしまいましたが、この子は出てくるのに少々手間取っているようです。
「ちゃんと出てこれるかなぁ〜」と、ちょっと心配しながらも息を潜めて観察しておりました。

そして、また動き出したと思った次の瞬間、
あっという間に卵から抜け出ていました。

誕生です!。
ちいさいですよ〜、500円玉と比べてもこの通り。

しかし、体長だけは長いですね。
これだけの長さのものが、あの小さな卵の中に納まっていたんですね。

きちんと渦巻状になって収まっていたのでしょうか、それともでたらめに折り重なっていたのでしょうか、孵化直前にレントゲンで調べてみたいですね。
とても小さいけど一人前。

小さな指にはちゃんと爪まで生えていて、親とまったく同じです。

ただ、かなり痩せていますね。
たくさん食べて大きくなってくださいね。
最後にお母さんと2ショット。

卵の中ではすでに体は完成されて、あとは出てくるだけというのがカナヘビの孵化のようです。外部の刺激によって驚いて出てきてしまうものもいれば、休みを入れながら時間をかけて孵化するものもいました。
生まれてすぐに親と同じように走り、隠れ、日向ぼっこをする姿はまさに生命の神秘ですね。

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