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2008年5月31日 オオクワガタの初令幼虫
ついに決戦の日がやってまいりました。今日、もし4つの産卵セットから1頭も割り出せないようだと、今シーズンの飼育日記は、今日と、あともう1回で終わってしまう事でしょう。あともう1回というのは、もちろん「他の産卵セットも失敗しちゃいましたぁ〜」という、1ヶ月分をまとめたダイジェスト(笑)。

そうなってしまうと、この先、喜びも、感動も、楽しみも大幅に削減されてしまいますので、そうならないためにも、たとえほんの少しでも良いから、幼虫を割り出したい気持ちでいっぱいです。

もし1頭でも割り出せれば、来週に向けて大きな弾みになります。なんてったって今回の産卵木は、オオクワガタのメスたちにとって、ほんの仕事始めの産卵木。
本番は来週からなんですから。

さあ、私の期待を一身に集め、産卵セットナンバー「1」の割り出しが始まります。

パコッ。

産卵木を寝かせておいた飼育ケースを逆さまにして、埋めた発酵マットごと産卵木をたらいの中にあける。

飼育ケースをそっと持ち上げると、中身がきれいに出てきました。まるでプッチンプリンみたい。

ちょっと角が欠けてしまったのが、なんとも不吉な感じ・・・って、かなり気弱になってます(^_^;)

飼育ケースの外からは、幼虫や幼虫が活動した形跡はまったく見られませんでしたが、運が良ければマットの中に数頭の初令幼虫の姿が見られるかも。

期待に胸を膨らませ、間違っても幼虫を傷つけてしまわぬよう、丁寧に発酵マットを崩していきます。

「いない、いない、ここにもいない」

産卵後、3週間しかたっていませんので、幼虫がいたとしたらほとんどが初令幼虫でしょう。
初令幼虫ならパチンコ玉ぐらいのマットの塊でも隠れる事ができます。

ですので、マットの塊を1粒残さず全部崩して確認しましたが、1頭の幼虫も見付ける事はできませんでした。

とは言うものの相手は所詮、初令幼虫。まだ産み落とされた場所からほとんど動いていないはずですので、マットの中にいなかったからと言って、そう気を落とす事は無いでしょう。

さあ、本命の産卵木です。

産卵木を手に取ると、かなりふやけて柔らかくなっているのが、指の感触で分かります。
1年以上寝かせて芯まで柔らかくした産卵木。それを1ヶ月間も高温多湿のマットの中に埋めていたんですから、道具を使わなくても手だけで簡単に割く事ができるでしょう。

両手で産卵木を持ち、親指に軽く力を入れるだけで、案の定、産卵木に亀裂が走ります。
さあ、断面はどうなっているでしょう。期待と不安が入り混じり、心臓をバクバク言わせながら、恐る恐る2つに裂けた産卵木の断面を覗き込むと・・・・・

産卵木の断面には、紛れもなく生まれれて間もないオオクワガタの初令幼虫の勇姿がっ!。

「おおお〜〜」

やりました!幼虫です!産卵成功です!。
今、この瞬間、種親のオスが成熟していないという不安から、一気に解き放たれました。

「いやぁ〜、会いたかったよぉ〜」

今回は不安要素が多かっただけに、いつもより、すっとすっと大きな喜びが込み上げてきます。オスが成熟している事は確認できました。短い期間でもペアリングは成功していた事も確認できました。メスは全部で4頭もいます。こうなればもう怖いものなしです。

さらに産卵木を裂いて幼虫がどれくらいいるのか確かめたい気持ちを抑え、今割り出した幼虫を菌糸ビンへ移します。

今回用意した菌糸ビンはハチミツ600。

菌床を菌糸ビンに詰める時に、親指の第一関節が入るくらいの穴をあらかじめあけておきました。

小さな初令幼虫では、いきなり菌床に喰らい付くというのは難しかろうと思い、まず穴の中に発酵マットを敷き、その上に幼虫を置き、そしてその幼虫を発酵マットで埋めました。

最後に軽く霧吹きでシュッ。

まるでアサガオの種でも蒔いているみたい。

発酵マットは、もちろん粒子が細かく栄養価が高いものを選びました。ちょっと食べ進めばすぐに菌床にたどり着きますので、体力がまだ付いていない幼虫は細かく柔らかい発酵マットを、体力が十分ある幼虫は硬いけど栄養豊富な菌床へと、それぞれ自分で判断し食べ進んで行く事でしょう。

さあ、割り出し作業に戻りましょう。

「おっ、いた」、「こっちにも」

高密度と言う程ではありませんが、良いペースで幼虫たちが顔を出します。

サイズは狙い通り、初令初期。

「1,2,3,4・・・・」

一通り割り出しが終わり、幼虫が入った菌糸ビンの数を数えてみると7本。中くらいの産卵木を使用し、産卵期間が1週間と言う事を考えると、なかなか良いペースです。

さあ、次のメスの産卵木はどうかな。

「ひぇ〜〜、何じゃこりゃ!」

でるわ、でるわ、幼虫が次から次へと出てきます。

1頭の幼虫を取り出そうと産卵木を裂いたら、別の幼虫が顔を出すといった感じで、そこらじゅう幼虫だらけ。

「お前はちょっと待ってろ、こいつを先に菌糸ビンに移すからな」

「おい、お前。おとなしく待っていないと産卵木から落ちちゃうぞ!」

もうお祭り騒ぎです(笑)。

2本目の産卵木から割り出した幼虫は、良いペースだと思った1本目の倍以上、16頭にもなりました。

「いいね〜、このペース」

割り出し前の不安なんてどこへやら。もう夢中を通り越して、狂喜乱舞の割り出し作業です。

さあ、3本目。

「ん?」

なんか、様子がおかしい。2つに裂いた産卵木には、幼虫の姿が見当たりません。食痕でもあれば、それをたどる事で作業を続けられるのですが、断面には木の繊維がきれいに並んでいるだけ。.思わず手が止まってしまいました。

我に返り、2つに裂いた産卵木を、さらに2つに裂いてみると・・・

「ありゃ」

そこには幼虫ではなく、卵の姿が。そしてこの卵以外、幼虫も食痕も見当たりません。

「う〜ん、こりゃだめそうだなぁ〜」

今までが、ちょっと調子が良すぎたみたい。

見落としがないよう、丁寧に丁寧に割り出しを行いましたが、出てきたのは卵が3つだけ。

この産卵木からは、1頭の幼虫も出てきませんでした。

「割り出すのが早すぎたのかな」

このメスは産卵を始めたのが遅かったのかも。
だから生んだのは3頭だけで、しかもまだ孵化していないのかも。

「でも、もしかしたらペアリング失敗の可能性も・・・」

そうなると、2週目、3週目、4週目の産卵木も全て失敗というおぞましい事に(^_^;)

卵は産み落とされてから、高温多湿の中で少なくとも3週間は過ぎています。にもかかわらず、3個ともとてもみずみずしい姿をしていたので、無精卵という可能性は低いでしょう。
あまり深く考えず、ただ単に割り出しが早すぎたと言う事にしておきましょう。

4本目。

こちらも、あまり芳しくなく、割り出せたのは幼虫が4頭だけ。

とは言うものの、菌糸ビンの数を数えてみると、全部で30本。
4週で100頭を目指していますので、1週目の結果としては、まずまずです。

産卵セットナンバー
「1」
「2」
「3」
「4」
合計
割り出した幼虫
15
26
割り出した卵
合計
16
30

1週目より2週目の産卵木の方が、はるかに期待が持てる事を考えれば、十分というべきかな。でも3週目の出来は最悪だから、1週目でもう少し貯金が欲しかった。

欲を言えばキリがありませんね(^_^;)

セットナンバー「3」だけ、卵しか割り出せませんでしたが、他の産卵セットは、そろって初令幼虫を割り出す事ができましたので、27℃で3週間という保存期間はなかなか良好なようです。

2週目以降もこの方法を踏襲してみます。

さて4週目、最後の産卵セットはこんな感じ。

セットナンバー「1」
セットナンバー「2」
セットナンバー「3」
セットナンバー「4」

「2」は良く削られていますので、かなり期待できそうです。逆に先週に引き続き「3」「4」はもうだめみたい。2週目で大量に産卵している事を期待するしかなさそうです。「1」はまあまあといった感じ。でも、これだと2週目の産卵木で大幅は貯金ができないと、目標の100頭は、ちょっと難しいかな(^_^;)

産卵が終わったメスたちは、それぞれの飼育ケースへと帰って行きました。
1ヶ月もの長い期間、ご苦労様でした。そして何より沢山の子供たちを生んでくれた事に感謝。

さあ、オスが成熟していないという不安から、今まで控えていた菌糸ビンの仕込を再開しなくちゃね。今年の夏は忙しくなりそうです!。


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