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2007年9月13日 不具合のお知らせ
弟宛に某大手電気量販店から一通の手紙が届きました。

弟はすでに結婚をして家を出ているんだけど、ダイレクトメールみたいなものは、いまだに実家であるこの家に送られてくる事が良くあるんですよね。弟はちょくちょくこの家に遊びに来るので、ダイレクトメールでも、とりあえずは保管して渡すようにしています。

でも、今回の手紙はダイレクトメールとはちょっと違ってた。ダイレクトメールなら普通は葉書で来るはずなのに、こいつは封書。しかも、その封筒には「セール」とか「20%OFF」とか「お見逃し無く」といったダイレクトメールには在り来たりの文字列はまったく見当たらず、ただ1行「お客様へ 大切なお知らせです」と書いてあるだけの恐ろしくまじめな封筒。

ちょっと気にはなりましたが、私宛に送られて来た郵便ではありませんし、弟が電気量販店からの手紙を受け取るために、わざわざ我が家に足を運ぶとも思えませんでしたので、次回来た時に忘れずに渡せるよう、冷蔵庫に磁石で貼り付けておきました。

数週間後。

「これ、お兄ちゃんのだよ」

何かの用事でウチに立ち寄った弟が私の部屋にやって来て、一通の手紙を差し出した。
それはもうすっかり忘れかけていたあの手紙。

「お前宛の手紙だろ」
封筒の宛名を確認しながらそう言うと
「不具合があったんだって、あれ」
と、弟は私の部屋に設置してあるNEC社製の無線LANの本体を指差した。

「不具合?」

弟が指差した無線LANから、手渡された手紙に目を移すと、その表題に「不具合のお知らせ」と書かれてあった。

「新しいのと交換してくれるみたいよ」
「へぇ〜」
状況がまだ良く飲み込めず、手紙の文章を目で追いながら生返事。

手紙には
『一部、部品の不良によって動作が停止する不具合が発生する場合があることが判明・・・・』
『ごくまれに微少の煙が発生する事がありますが・・・・発火、火災に至る可能性はありません』
といった事が書かれていました。

「一部・・・ごくまれに・・・か」

まったく危険は無いものの、下手に隠したのがばれて企業イメージが損なわれるより、手っ取り早く全品交換してしまいましょうといった感じのようです。

しかしまあ、NECにしてみれば、今まで苦労して売ってきた分が水の泡ならまだしも、売った分だけ交換しなくてはならないとなると、売れなければ良かった、さらには売らなければ良かった、という事になってしまいますね。

「会社のため、会社のため」と、必死になってこの無線LANを売っていた人より、結果論とは言え、サボって昼寝ばかりしていた人の方がずっと会社のためになっていたと考えると、とてもやりきれないですね

「インターネットでも受付しているのか」

電話での受け付けもありましたが、待たされるのが嫌なので、インターネットで手続きをする事に。

Web受付窓口に行くと、利用している機種を選択するようになっている。
機種ならすぐに分かります。自分の部屋に無線LANの親機がありますからね。
親機の上部に書かれた機種名を選択して次の画面へ。

次に現れた画面は「不具合対象製品該当チェック」。画面を軽く確認すると、そこには子機の裏に書いてある製造番号とシリアルナンバーを入力する様にと書かれてある。

「せいぞうばんごう? しりあるなんばあ〜?」

子機は道を挟んで向こうの工場。しかも自宅の2階にある親機からでも受信しやすいように、平屋の工場の天井近くに設置してあります。子機の裏側を調べるとなると、脚立を取り出しての大変な作業になります。

「どうせウチのは対象製品じゃないよ、きっと」

宝くじでも何でも、こういった事には不思議と該当しない人生を歩んで来ました。常に「その他大勢」に含まれる平凡この上ない私ですので、わざわざ脚立を取り出して調べなくても、交換対象になっていない事はほぼ明らか。それに、もし壊れるような事があっても、その時に交換してもらえば良い訳ですから、なにも今、慌てる事はないでしょう。

めんどくさいとなると不思議なもんで、湯水のごとく言い訳が湧いて来るもんです(^_^;)

やがて夏休みに入ってしまい、工場に行く事がなくなってしまったこともあって、この事はすっかり頭の中から消えてしまいました。

しかし、なぜ弟に手紙が届いたのでしょう。

実は、無線LANを買おうと思い立った時、偶然にも弟が電気量販店にいて、これから我が家に来るという連絡があったので、ついでにこの無線LANを買って来てもらったんです。
で、会計の時に出したポイントカードによって、弟にこの無線LANの購入記録が付き、結婚前に作ったポイントカードの住所宛てに、不具合を知らせる手紙が届いたという寸法。

ポイントカードによって購入記録が残っていたから良かったものの、購入記録なんて残らない町のディスカウントショップや秋葉原の商店なんかで買っていたら、不具合なんて知る事が出来なかったでしょうね。2年半前に買った無線LANが壊れたからって、メーカーにクレームを入れる人なんていないでしょうから。

そういえば最近、掃除機についているプラスチック製の部品が折れてしまった事がありました。1年以上使っていましたので保障期間は過ぎていましたし、保障期間内であったとしても、折った過失はこちらにありますので、とても保証してくれそうにない状況でした。

しかし「新しいものを買うしかないよ」という私の忠告など耳も貸さず、母は説明書に記載されていたメーカーの電話番号に直接連絡。

「こういう場合はメーカーじゃなくて、購入店に持っていくもんだよ。対応したメーカーの相談窓口の人も、とんだ災難だろうな・・・」なんて思ってたら、なんとメーカー側は即部品の交換に応じ、3日後には買ったら3000円は下らないだろうと思われる新品の部品が到着しました。

狐につままれたようなような気持ちでしたが、どうやらこの部品は強度不足だったため、破損のクレームに対して即交換に応じていたようです。「交換部品を取り寄せるより、新し物を買ったほうが安い」という大量生産、大量消費時代に刷り込まれた家電製品に対する考え方を改めなくてはいけない時代になったようです。

「壊れたらとりあえずメーカーにクレームを入れてみる」
大阪のおばちゃん的発想が、今や時代の最先端を走っているようです。

そんなこんなで月日は流れ・・・・

9月に入ったある日、会社でパソコンをいじっていると、右下にある無線LANのアイコンから漫画の吹き出しようなものが突然現れました。

「なんだ?」

こんなの初めて。
驚いてそこに書いてある文章を読んでみると、なんと無線LANが繋がっていないとの警告。

頭の片隅の崖っぷちに、片手だけで辛うじてしがみついていたあの手紙の記憶が、不気味な呻き声をあげながらじりじりとよじ登ってくる気配を感じましたが、無線LANが繋がっていないという警告はすぐに消滅し、いつも通りインターネットが出来る環境になりました。

「なんだよぉ〜、びっくりしたじゃないかぁ〜」

しかし、ホッとしたのも束の間、しばらくしてまた無線LANが繋がっていないという警告が。

その警告もすぐに消えましたが、事態は一向に改善されず、繰り返し警告が表示される状態になってしまいました。しかも表示されるまでの間隔がだんだん短くなって来ている上、表示されている時間もだんだん長くなってきている・・・・。

「こいつはまずい」

しかしこの時はまだ、自分が「一部」と言われている不良品をつかまされたなどと信じたくなく、翌日配線などをチェックする事にして、その日はとりあえずそのまま帰宅しました。

翌日。

パソコンを立ち上げて無線LANの状況を確認しようと思ったのですが、立ち上げ直後からずっと無線LANが繋がっていないという警告が表示されっぱなしになってしまいました。神様にお願いするために、過去の悪行を悔いる時間も、未来の善行を誓う時間もありませんでした。

無線LANの子機に繋いでいるのは2台のパソコンと1台の複合機。その3台共にLAN接続できていない状態ですので、どう考えてもあの子機が原因と考えて間違いないようです。

脚立を持ってきて子機のある場所まで登って行く。もうこうなってはこいつを交換するしかなさそうですので、製造番号を控えるなんて面倒くさい事はせず、配線を全て外した上で、子機を持って脚立を降りました。

そして、取り外した子機を見てみると・・・

「こ、こ、こげているのか!?」

なんと、白いボディーの一部がまるで焦げてしまったかのように茶色く変色しているではありませんか。

良く見てみると、焦げていると言うよりは、中から出て来た煙に燻されて変色してしまったといった感じ。

ということは、「不具合のお知らせ」に出て来た「ごくまれに」に当てはまった機種のようです。

「その他大勢」と言うさえない人生を慎ましやかに送っている私が、なんでこんな時だけ「ごくまれに」に当てはまらなくちゃならないんだよぉ〜。

不平不満なんて山ほどありますが、とりあえず仕事で無線LANを使っている以上、早急に復旧する必要があります。有線LANで繋がっている自宅のパソコンを使ってすぐに交換の手続きを開始。製造番号とシリアル番号を打ち込むと、当然の事ながら不具合対象商品と判定され、すぐに交換手続きをしてくれるとの事。

「土日を除く稼働日10日以内でのお届けとなります」

米印付きで「あらかじめご了承ください」と書いてあるけど、とてもじゃないけど「ご了承」できないぞ。「こっちは仕事ができないんじゃ、明日もって来い!」と心の中で怒鳴りながら、会社宛に来たメールを自宅のパソコンで受信できるようにコツコツとセットアップ。

しかし、心の叫び声が届いたのかどうかは分かりませんが、なんと翌日には新しい子機が送られてきました。やるなぁ〜NEC。

送られてきたのは今まで使っていた子機ではなく最新鋭の子機。

NEC Aterm WL54SE

なんと、2年半前に買ったもう寿命と言ってもおかしくないようなワイヤレス子機が、いきなりVista対応の最新鋭の子機に生まれ変わってしまいました。

2年半前のワイヤレス子機なんて、とうに製造中止になっていて在庫なんてないでしょうから、当然といえば当然ですが、まさに塞翁が馬。

ついでに親機も不具合が発見されないかなぁ。出来ればパソコン本体なんかも不具合があるとうれしいんだけど・・・・(笑)。

もしあと1ヶ月故障するのが早かったら、不具合なんて知る由も無く、寿命だと諦めて新しいワイヤレス子機を自費で購入してしまっていた事でしょう。当然故障した子機などは廃棄処分。シリアル番号などは分からなくなってしまいますから、もしかしたら交換に応じてもらえなかったかも。

ドライブステーションの時は、たった1週間の差で3万円以上損してしまいましたが、今回は1ヶ月の差で1万円以上損せずに済みました。

「ドライブステーションの時は、慌ててネットオークションで売ってしまったからなぁ〜」

ネットオークションって・・・・もしかしたら今回の不具合の事を知らない人が、古い子機をネットオークションに出品しているかも。そいつを安値で買い集め、全部不具合品として新品の最新鋭子機と交換し、そいつをネットオークションで売りさばけば差額がザクザク・・・・・しかし、所詮私は「その他大勢」の人生。そんな人を出し抜くような事が上手く行くはずないよね(笑)。

親機が古いままなので、最新鋭の子機の機能を十分引き出す事が出来ませんが、LANポートが2個から4個になったため、3台ある接続機器をハブを介さずそのまま直結できるようになったのが一番の良い所かな。

外見はコンパクトでかなりおしゃれになっているみたいだけど、設置場所が工場の、それも天井近くですからあんまり意味ないし・・・(^_^;)
親機も最新鋭になったとしても、セキュリティー面で多少進歩するものの、使い勝手自体はそう変わらないみたい。

1万円損しなくて済んだ上に、大量生産大量消費時代後の家電に対する考え方を肌で感じる事も出来たので、とりあえず「めでたし、めでたし」かな。

「家電製品が壊れたら、とりあえずメーカーにクレームを入れてみる」
やるだけの価値はありそうですぜ、だんな(笑)。
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