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カナヘビの飼い方


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まず最初に必要なのがカナヘビを入れる容器です。

カナヘビ1匹位でしたらペットショップなどで売られている幅30cm程度のプラスチックケースでも飼育可能ですが、複数匹飼育し繁殖を考えておられるようでしたら幅45cm〜60cmのアクアリウム用の水槽をお勧めします。

私が使用しているのは60cmの水槽 です。水槽の裏側に市販されているスクリーンを張ると、とても見栄えがします。

底に土を敷いておくと、草を植えられるだけでなく、カナヘビの糞が自然に分解されて汚れが目立たなかったり、エサのコオロギが卵を産んで繁殖したりします。

しかし、あまり土を入れすぎると水槽が重くなってしまい移動が大変です。
魚と違いカナヘビは日光浴が好きですので、週に2,3回くらいは日光浴をさせてあげます。
その時に持ち運びできるよう、土は少ないほうがよいですが、コオロギの産卵を考えて3cm位は敷いておきましょう。

ちなみに私は移動が楽に出来るよう、キャスター付きの台車に水槽を設置しています。

水槽の中には石組みのシェルターを設置することをお勧めします。

カナヘビは、室内で飼育している分には、あまりシェルターの下に隠れるような事はしませんが、屋外で十分日光浴を堪能した後は、強い日差しを避けるためにシェルターの下に隠れている事が良くあります。

日光浴中に熱射病にかからないようにするためにも、熱を通しにくい少し厚目の石で日陰を作っておきましょう。

カナヘビは非常に良く水を飲みますので、水は絶対欠かさないようにします。

小鳥やハムスター用の水入れですと、カナヘビは水を飲むことが出来ますが、エサ用のコオロギは滑ってしまって水が飲めないだけでなく、飛び跳ねて水入れに入ってしまうと登れずにそのまま溺れ死んでしまいます。

多少金額は高くなりますが「スドー・レプティボウル 」がお勧めです。これなら生まれたてのコオロギでも登る事ができますので、水入れだけでなく、コオロギのエサ入れとしても最適です。

また、カナヘビは木登りも大好きですので、木の枝などを組み合わせて登り棒を作ってあげると良いと思います。

木に登って運動したり、木の上に寝そべって気持ちよさそうに日光浴する姿を観察できると思います。

注意したいのがカナヘビの脱走です。
カナヘビは10cmくらいの段差ならジャンプすることが出来ますので、木の先端からジャンプして逃げられないよう、水槽にはフタをしておきましょう。

金網のフタですと、カナヘビがフタに取り付いて逆さまにぶら下がっている事がありますので、フタを開けるときはカナヘビが天井についていないか十分確認してから開けるようにしてください。

メインのエサとなるコオロギは夜行性で昼間は物陰に隠れていてほとんど動き回ることがありません。コオロギが石の下などに隠れてしまうと、カナヘビは捕まえることが出来ませんので、コオロギのエサ場の周りに落ち葉を敷いておくと良いです。

夜、エサを食べたコオロギは明るくなると、エサ場の周りにある落ち葉の下に隠れます。

しかし、重い石と違って落ち葉ならカナヘビは頭を突っ込んで、落ち葉の下に隠れているコオロギをつかまえる事が出来ます。

しかし、あまり落ち葉を沢山敷いておくと、コオロギにうまく隠れられてしまいますので、落ち葉が重ならないよう、一枚ずつ敷いてある状態がベストのようです。

あとは、丘を作ったり、草を植えたりして自分なりのレイアウトを楽しんだらカナヘビ水槽の完成です。

管理は簡単。エサと水を切らさないこと。霧吹きをこまめにすること。
そして週に2,3回日光浴をさせることです。

照明を当てたり、日光浴をさせると水槽内の水分はすぐに蒸発してしまいます。
水槽内の土が乾いて色が変わってしまったら、コオロギの卵のためにも、すぐに霧吹きをしましょう。暑い日なら直接カナヘビに霧吹きしてあげると、カナヘビは顔に付いた水滴を飲むことがあります。植物の葉を洗い流してあげることも忘れずに。

日光浴は、長時間する必要は無いようです。
午前中、または夕方近くの日差しが弱い時間帯に、1時間ほど屋外に出しておくくらいが良いようです。最初は日のあたる場所でお腹を広げて気持ちよさそうに日光浴をしていますが、1時間もたたずに、シェルターの陰に隠れてしまうはずです。

カナヘビがシェルターの下に隠れてしまったら熱射病にならないよう、早めに水槽を取り込みましょう。

日光浴の代わりになるような爬虫類用のライトがペットショップなどで売られていますが、非常に高価な上、寿命が短い消耗品となっておりますので、あまりお勧めできません。

単価の安い紫外線蛍光灯も市販されておりますが、あくまでも補助的な意味合いでの使用とし、きちんと日光浴させるのがカナヘビのためには一番良いと思います。

左の写真は比較的安い蛍光灯
NEC ビタミンDay

エサはコオロギ、ミルワーム、クモ、イモムシ、ハエ、バッタ、イナゴなど、アリや殻の硬い甲虫類以外の動く虫なら何でも食べます。

しかし、こういった虫を大量に確保するのは難しいため、主食は自家繁殖させたコオロギになると思います。

冬眠後など、空腹のときは成虫のコオロギを襲うこともありますが、成虫のコオロギは大きくて力も強く、手ごわい相手ですので、普段はほとんど襲うことはありません。

カナヘビは大きな獲物をくわえて、丸呑みにするイメージがありますが、実際は一口で食べられるサイズを好みます。

大人のカナヘビであればご飯粒程度。

それより小さいコオロギも好んで食べますが、一口サイズより大きいコオロギの場合、襲うのを躊躇する事があります。

しかし、一番好きなのはなんといっても脱皮直後のコオロギ。

食べごろのコオロギが目の前を横切っても見向きもしなかったのに、脱皮直後のコオロギが横切ったらいきなり襲い掛かるなんて事が良くあります。

カナヘビは、脱皮直後のコオロギならサイズに関係なく襲い掛かります。体が柔らかく無抵抗のご馳走である事を本能的に知っているようです。

食べる量はまちまちです。

産卵前のメスのカナヘビが、1日に成虫のコオロギを3匹食べた事もありましたし、成長期の子カナヘビも、四六時中コオロギを追い掛け回して、いったいどれくらいの量を食べているのか見当もつきません。

ただ、食べた分だけ大きくなり、食べた分だけ卵を産むようなので、生きていく最低限の量はもっとずっと少ないのかもしれません。実際、大人のオスのカナヘビはほとんど寝ています。

カナヘビの観察のポイントは上から覗かない事です。
カナヘビを上から覗くとパニックになって逃げ惑います。

何度も繰り返し上から覗いていると多少は慣れますが、それでもくつろいだ姿はなかなか見せてくれません。

しかし、ガラス越しに横から観察すると、不思議とほとんど警戒する様子を見せません。

観察する時はカナヘビと同じ高さに目線を落とす事をお勧めします。

最後に共食いについてですが、「カナヘビは共食いをしますか?」と聞かれれば、私は「共食いすることは可能です」と答えます。
カナヘビは十分なエサがある状態では、動くものに見境無く噛み付くようなことはしません。

大きさを目で確かめ、臭いを舌で確かめ、それが獲物として妥当であるか判断してから襲い掛かります。

ですから、たとえ相手がコオロギであっても、飲み込むには大きいと判断したら襲うようなことはありません。

ましてや、同じ仲間であればなおさら。
孵化直後のカナヘビでさえ、大人のカナヘビに襲われたことは今まで一度もありません。

しかし、冬眠明けなど、極度の栄養失調状態では、動く獲物に対していきなり噛み付く事があります。もし、その時噛み付かれた相手が不運にも子カナヘビだったらどういう結果になるでしょう。体長が長いとはいえ、胴回りは成虫のコオロギより細いので、大人のカナヘビなら子カナヘビを丸呑みする事は可能です。

以上のことから、飼育している方がカナヘビを餓死寸前まで追い込むような事があれば、カナヘビは仲間を食べてでも生きる道を模索する習性がある事は確かですが、それは私たち人間を含め多くの生物に共通するする習性であり、それを共食いというかどうかは私には判断しかねます。
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