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オオサンショウウオ
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2005年06月10日
標高200メートルから600メートルの高地にある水田地帯の川に棲むオオサンショウウオが、普通では見られない標高数十メートルの低地の川で発見された。

場所は兵庫県富岡市。どうやら去年の秋の台風で流されて来たらしい。

オオサンショウウオは住み慣れた生息地に戻るため、川を遡ろうとしているものの、高さ1.5メートルの人工堰に遮られ、その先に進む事が出来ないでいる。
昼間は岩の間などに隠れ、夜になると、どこからともなく現れるという。

その数100匹以上!!。

100匹を超えるオオサンショウウオが、登る事などできるはずもない堰に、去年の秋から挑み続けている。
力尽きて死んでしまったオオサンショウウオもいるだろう。
なのになぜ彼らは堰に挑み続けるのだろうか?。
それは沢山の魚が棲み、海が近いこの場所で産卵しても、我が子は死に絶えてしまう事を彼らは知っているからだ。だからこそ、彼らはたとえ命が尽きようと堰に挑み続けている。

県は捕獲して上流に放すとのコメントを発表しているが、それでは根本的な解決になっていない。
今回は偶然発見されたが、過去、台風のたびにこの堰の下流に流され、そしてこの堰に挑み力尽きて死んでいったオオサンショウウオは沢山いたはずだ。そして、これから先もこの堰がオオサンショウウオを殺さないとも限らない。

オオサンショウウオとそれを取り巻く環境をもう少し考えた対策を考えられないものか。
子孫を残すために無理を承知で堰を登ろうとする100匹のオオサンショウウオの姿を痛ましいとは思わないのか。その執念は、死してなお怨霊となって堰を登ろうとするに違いない。
無数のオオサンショウウオの怨霊が堰を登ろうと蠢いている姿・・・・県の方にも想像してもらいたい。

オオサンショウウオですら、命を賭して少しでも良い環境で我が子を産もうとするのに、なぜ人間はより良い環境を我が子に残してあげようと考えられないのでしょうね。

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