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オオクワガタの蛹化


2003年4月23日
やっぱね、蛹化(ようか)の瞬間はぜひとも観察したい!。その願いをかなえるべく、蛹化が近そうで観察しやすい位置に蛹室(ようしつ)を作っている個体を3頭選び出し、机の下の暗がりに移しました。

で、暇さえあれば覗き込む。

テレビのコマーシャルのときも、トイレに立つときも、寝る前も、朝起きたときも(笑)。

しか〜し、ぜんぜん蛹(さなぎ)になる様子なし。
長い間眺めててもぜんぜん動かないし、面白くない!。
でもね、死んでるわけではないみたい。ちょっと見ない隙に姿勢が変わってる。
仰向けになったり、横を向いたり、まっすぐに伸びきったり、ちょっと丸まってみたり。
いうなれば、寝返りをうっているようなモン。

仰向けになってまっすぐ伸びていると
「そろそろ始まるか!」
って期待するんですけどね、またごろ〜んと横になったまま動かなくなっちゃう。
きまぐれに寝返るのはやめろよな〜〜。


4月25日
そんな気まぐれな幼虫も、やっとこちらの期待にこたえるべく本格的に蛹化(ようか)の準備を始めたようです。

体が伸びきってしまい、まるまることが出来なくなってきたみたい。あまり横になることもなく、いつもじっと仰向けで寝ています。

まるで、死んでしまったよう。でも、見るたびに微妙に姿勢が違っているのは生きてる証拠。

「ここまで来ればもうすぐだろう」
そんな思いでワクワクしていましたが、なかなかうまく行かないモンですね。
決定的瞬間を見逃してしまっては一大事とばかりに、頻繁にのぞいていましたが、それらしい気配はまったくなし。気ばっかりあせっちゃって(^^ゞ

「いつになったら始まるの?」
幼虫に話しかけてみましたが、答えはなし。
まぁ、幼虫にしてみても初めての経験ですからわからないのでしょう。
日本語がわからなかったという意見もありますが(笑)。

それから3日がすぎ・・・・。

テレビのコマーシャル中にいつものようにのぞいてみると・・・・。
「腹筋をしてる・・・・?」


28日 17:00
そう、それはまさしく腹筋運動。ダイエットのためにする腹筋運動。
「こいつは写真を撮らなきゃ」
ってんで、急いでデジカメを取り出しあわてて写真を撮りました。

右の写真がそれ。
マウスの矢印を写真の上にあわせてみてください。
(クリックしちゃだめよ〜)

びっくりしたでしょ〜。腹筋の様子がわかるようにって「ロールオーバー」という最新鋭の特別な技法を使っているんです。

???そんなの初歩の初歩の技法だって???

でも、私にとっては最新最高の技法だから(笑)。



17:12
大体、5秒おきに一回くらいのペースで続けているみたい。途中でちょっと休むことがあるけど、理想の体を手に入れるべく、たゆまない努力をしている。

「シャッターチャンスを逃しては!」
と思い、夢中でシャッターを押していたけど10分たっても腹筋運動をやめようとしない。

「いったいいつまで続くんだろう。ダイエットをすぐにあきらめてしまう世のお嬢様方に見せてあげたいね。」
なんて思いながらカメラを置いて観察していると、幼虫の体に変化が!。

胸の辺りは隆々と筋肉がみなぎり、おなかの辺りは腹筋で割れ目が!・・・・って、おいおい(笑)。

でも、確かにそんな感じに変化しています。胸部には折りたたまれた羽や足ができ始めたため膨らんでいるのでしょう。腹部も成虫らしく平らで幅広になっているのがわかります。

逆に今まで使っていた足は干からびでしまいました。

たぶん腹筋運動はこの変化をするために必要な運動なのでしょう。それから1時間たっても2時間たっても腹筋運動が終わることはありませんでした。


19:24
それは突然やってきました。

あたまがパコって割れた。

「ありゃ、いつ割れたんだ?」
って感じ(笑)。

「うお〜〜、とうとう始まった!」
って夢中になってシャッターを押し捲る。

(これから先の写真は頭部を覆っているピーナッツのシブ皮のようなものの位置に注目してご覧ください。)

19:27
と、同時に胸部を覆っていた皮もはがれ落ちるようにむけ始めました。

被写体がちっちゃい上にビンのガラス越しなのでうまく写真が撮れない(涙)。

ビンについている菌床がじゃま!。こすって汚れを落としたいんだけどビンの内側ではどうすることも出来ない。
おなかの側面に白い紐のようなものが付いているのが見えるでしょ。あとで気が付いたんですけど、どうやらこいつがゴムのようになっていて、古い皮をお尻の先端のほうに引っ張る役目を果たしているようです。

19:39
頭部を覆っていた古い皮がむけ落ちました。
将来あごになる部分がはっきり確認できます。

頭を思い切り曲げて、あごを胸にくっつけた形になっていたんですね。

頭部は最初、小さかったんですけど、心臓のようにドックンドックンと波打ちながらあっという間に広がっていきました。

19:40
こちらは横から見たところ。
将来触覚になる部分が見えます。

19:41
頭部のアップです。

まだ足は隠れていて出来ていません。

19:43
足が出てきました。
上の写真の触覚と足の部分を拡大してみました。

拡大といっても上の写真がWeb用に縮小されているから、原寸の写真を切り取った感じ。

透き通っているでしょ、水風船みたい。

19:45
全部の足が出てきて、蛹化がほぼ終了。

頭が割れてから30分くらいでしょうか。

頭部を覆っていたピーナッツのシブ皮のようなものは腹部と胸部の間くらいまで移動しました。

19:50
将来羽になる部分も見えます。

19:51
またまたロールオーバーを使ってみました。マウスの矢印を写真の上にあわせてみてください。

蛹化(ようか)の途中でもこのように腹筋運動をしていました。

私が確認しただけで、3時間以上も腹筋運動をしていたことになります。

いったい何回の腹筋運動をしたのでしょうか。簡単に蛹化といっても莫大な体力を消費するんですね。

頭を覆っていたピーナッツのシブ皮のようなものは、とうとうおしりの方まで来てしまいました。

19:53
こちらは尾っぽの先端。

白いひも状のものがちぢんでいるのがわかるでしょ。

やっぱこいつは古い皮を引っ張って脱皮を手助けするゴムだね。

ちょうど寝袋のようなものにすっぽり入っていて、腹筋をしながら少しずつ寝袋を足のほうに脱いでいくような感じで蛹化が進みました。

寝袋を足のほうにずらすサポートをしているのがこのゴムなんでしょうね、きっと。


と、言うわけで、念願の蛹化(ようか)のシーンを観察することが出来ました。

今回はいちはやく前蛹(ぜんよう)となったメスの観察でした。
オスの蛹化(ようか)のシーンも観察したいのは山々なんですが、蛹化という彼らにとって最も危険な瞬間に、ライトを当てたり動かしたりするのはよくないことですので、蛹化(ようか)の撮影のためにスタンバイさせるのはよそうと思います。

観察中に運よく蛹化のシーンにめぐり合えれば何枚か写真として残しておくくらいにしようと考えております。

でも、今回は画像が多いですね。またサーバーの容量を増やさないといけないかな?。
そうすると月々の請求額がまた増える〜〜〜。おそろしや〜〜〜(笑)。

私が子供の頃って、こういう写真にめちゃくちゃ心がときめいた。
でもね、昆虫図鑑なんかではクワガタの蛹化だけに何枚も連続写真を載せてるものなんてなかった。

だから、今回は少し多めに載せてみました。
「この連続写真を見て何か感じてくれる子供が一人でもいてくれたらいいなぁ」
って思いながら・・・・。

「多め」といいながら、本当はほんの一部。
だって、今回の撮影した写真は全部で124枚もあったんですから(笑)。

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